『白い巨塔』があいかわらず好調です。視聴率も好調を維持。一月こそ木村拓哉の『プライド』に抜かれますが、二月に入って再びトップに。
山崎豊子の原作は1963年のサンデー毎日連載当時から話題になり、65年に発売された単行本がベストセラー、66年に田宮二郎主演で映画化、69年にテレビ朝日(当時はNET)で佐藤慶主演でドラマ化されています。
ここまでは2月12日放送分の誤診裁判第一審までの内容ですが、原作者のもとに「これで終わっていいのか」という投書が相次いだため67年から続編を発表。
初めて続編まで含めて映像化されたのが、78~79年、フジテレビが制作したテレビシリーズで、再び主演をつとめた田宮二郎らの熱演により『白い巨塔』映像化作品の決定版となります。
さらに90年にはテレビ朝日で村上弘明主演の前後編スペシャル版、そして今回の唐沢寿明版と映像化の定番作品となりました。
さて、決定版といわれる田宮二郎の連続ドラマ版と視聴率的にはそれを上回る今回の唐沢版、ガイドが放送前に書いた予想は以下の通りです。
「かっちりとした原作に普通の連続ドラマ三作分以上を投入した俳優陣、大河ドラマも手掛け骨太な脚本をかける井上由美子脚本とフジテレビ開局45周年記念を冠するにふさわしい布陣。田宮二郎の旧作にどこまで迫れるか。しかし越えられるか、とは決していえない。旧作のキモは田宮二郎の鬼気迫る演技もさることながら脇役陣の厚み、これはちょっと今の俳優ではできません」
で、ここまで見た感想はやっぱり同じ。現代の『白い巨塔』として十分におもしろく、よくやっているとは思いますが、やっぱり田宮版にはかなわない。理由もやっぱり予想通りです。
さてその理由についてもうちょっとくわしく書いてみましょう。
田宮二郎の鬼気迫る演技
脇役陣の厚み1・教授会など
脇役陣の厚み2・第一外科・くれない会など
脇役陣の厚み3・誤診裁判編など