脇役陣の厚み3・誤診裁判編など

誤信裁判編のキャラで明らかに田宮版の方がいいのが佐々木よし江役の中村玉緒。実生活で夫・勝新太郎を失い借金まみれになる前にそれを予見するかのような設定で、しかも当時38才とは思えない泣きの名演技はみものです。
ちなみに中村玉緒にとっても印象深い仕事だったようで、まだセリフをおぼえていてリクエストがあればいってくれるそうです。

それに対して唐沢版の方がいいのは関口弁護士の上川隆也。田宮版では児玉清(田宮二郎とは学習院大学の同級生、田宮のタイムショックに対してこちらはアタック25)は俳優のキャラ通りの誠実な弁護士だけど、唐沢版では最初は佐々木母子をだまそうとしていたくせ者。
上川隆也は現在再放送中、井上由美子脚本・松嶋菜々子の朝ドラ『ひまわり』でも司法修習生・弁護士を演じたお気に入りだけに今後どんな法廷を見せるか期待がかかります。


最後に最も田宮版と唐沢版で差が目立つのは財前の舅・又一。唐沢版について「浪花大学が舞台なのになぜ大阪弁をしゃべる人が少ないんだ?」といわれますが、それは田宮版も五十歩百歩。しかしそれを感じさせないのは舅・財前又一を演じた曽我廼家明蝶の存在。上方喜劇の重鎮で大阪の粋なダンナという雰囲気を地と演技でこなし、田宮版のヘソ的存在でした。
唐沢版の西田敏行も演技力という面では十分でしょうが、大阪人を演じさせてはちょっとつらく、ヅラネタで笑わせるなどちょっと差がはげしいですね。。
曽我廼家明蝶の雰囲気を出そうとすると、今なら竹内結子の朝ドラ『あすか』で京都の茶道家元を演じた金田龍之介あたりか?

ただその差をどうにか埋め合わせているのが医師会長の曽我廼家文童。その名の通り、同じく上方喜劇の流れをくむ舞台人。テレビドラマは若いころはNHK大阪のドラマを中心に活躍し、藤吉久美子の朝ドラ『よーいドン』でヒロインの主人で、道楽(ジャズ)好きのしょーもない若ダンさん役が印象的で、『白い巨塔』でもいかにもこざかしい大阪人という感じがよくでています。

役名 唐沢版 田宮版 役柄
佐々木よし江 かたせ梨乃 中村玉緒 佐々木の妻
佐々木庸平 田山涼成 谷幹一 五郎が診断・執刀するがん患者
佐々木庸一 中村俊太 中島久之 佐々木の息子
       
関口仁 上川隆也 児玉清 原告側弁護士
国平 及川光博 小林昭二 被告側弁護士
河野正徳   北村和夫 被告側弁護士
       
財前又一 西田敏行 曽我廼家明蝶 五郎の舅
岩田重吉 曾我廼家文童 金子信雄 区・医師会会長



ということでこの記事の結論!唐沢寿明版を楽しんだ後はぜひ田宮二郎版を見ましょう。さらに楽しめることを保証します。いまでもレンタルは大人気で常に貸出中なので、スカパー!のフジテレビ721で、唐沢版が3月25日に終わって、翌月曜の29日から再放送が始まるので、そちらをおすすめいたします。


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