ドラマ/秋ドラマ情報

スタッフから見る秋ドラマ(5ページ目)

ナイターシーズンが終わって、ドラマが最も盛り上がる季節の到来です。秋ドラマの特徴はどこかで見たような主演の組み合わせが多いこと。どんな新しいドラマを見せてくれる?

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

木曜日のドラマ

『エ・アロール』
放映:TBS系 木曜21:00~(初回は21:00~22:24)10月9日スタート
原作:渡辺惇一「エ・アロール それがどうしたの」
脚本:相沢友子
演出:平野俊一、高野英治、松田礼人
制作:貴島誠一郎、加藤章一
出演:豊川悦司、木村佳乃、緒形拳、津川雅彦、吉行和子、草笛光子、安居剣一郎、水川あさみ、三波豊和、山田スミ子

高齢者に楽しく気ままに暮らしてほしいとの精神で設立された老人ホーム「ヴィラ・エ・アロール」が舞台。その精神を受けて、入居老人たちは年甲斐もなくなく恋愛にまっしぐら。父親から老人ホームを受け継いだ主人公(豊川)は最初はそれに悩まされていたがだんだんそれもいいじゃないかと思うように。ベテラン俳優たちのめったに見られない役所がみもの。

『恋文』と合同で記者会見が行われたのでなんでかと思ったら、この二作はTBSが木下プロを発展的に解消してつくったドリマックス・テレビジョンの制作でした。過去に『愛しているといってくれ』などを手がけ、ひさびさのプロデューサ復帰の貴島Pのお手並み拝見。
ただ老人ものというのは高齢化社会のなか将来的にはいいけど、まだ早いような。それも『渡る世間は鬼ばかり』のすぐ後ならともかく、『愛するために愛されたい』で視聴者がすっかり離れた今となっては…


『トリック3』
放映:テレビ朝日系 木曜21:00~ 10月17日スタート
脚本:蒔田光治 他
演出:堤幸彦 他
制作:桑田潔、蒔田光治、山内章弘
出演:仲間由紀恵、阿部寛、生瀬勝久、野際陽子、大島蓉子

2000年と2002年にドラマ化。映画化もされ、ご存じパート3。これは説明不要でしょう。違いは金曜深夜からゴールデンタイム枠への移動、内容は変わらないだろうでしょうけど、視聴者の受け取り方が違うか?まあ、かつてこの枠では『アナザヘブン・エクリプス』などというムチャなものをやったこともありますからいいんでしょう。

ところでぜひ使ってほしいネタがあるので提案しておきます。あまり意味のないゲストとして尾美としのりを出演させておいて、最後の決めゼリフが「お前たちのやったことは全部全てまるっとオミトシノリだ! 」・・・なかなかトリック的なギャグであると自負しているのですが?

『マンハッタンラブストーリー』
放映:TBS系 木曜22:00~(初回は22:30~23:24)10月9日スタート
脚本:宮藤官九郎
演出:土井裕泰、片山修、坪井敏雄
制作:磯山晶
松岡昌宏、小泉今日子、及川光博、松尾スズキ、森下愛子、酒井若菜、塚本高史、船越英一郎(特別出演)

純喫茶「マンハッタン」を舞台に店長(松岡)がおいしいコーヒーを飲んでもらうために、勝手に客同士の恋のキューピットを演じる。その恋も王道ラブストーリーではなく多角関係いややこしく恋が生まれ消えていく複雑でほろにがい恋物語です。

『池袋ウェストゲートパーク』『木更津キャッツアイ』の磯山P・宮藤官九郎脚本のコンビがまた変わったことをやろうとしています。前二作と同じくまたもや、視聴率は低いがDVDはよく売れるドラマになるのでしょうか。
クドカンの前作『ぼくの魔法使い』が初のラブコメ、今度は初のラブストーリーということですが、三谷幸喜がラブストーリに挑んだ『今夜、宇宙の片隅で』みたいなことにならないかということがちょっと不安。クドカンが俳優として所属している劇団・大人計画の主宰・松尾スズキのドラマ出演はちょっと楽しみ。


『白い巨塔』
放映:フジテレビ系 木曜22:00~(初回は22:00~23:09)10月9日スタート
原作:山崎豊子「白い巨塔」
脚本:井上由美子
演出:西谷弘、河野圭太
制作:高橋萬彦、川上一夫
企画:和田行
出演:唐沢寿明、江口洋介、黒木瞳、矢田亜希子、水野真紀、若村麻由美、黒木瞳、伊藤英明、伊武雅刀、西田敏行、石坂浩二、上川隆也、沢村一樹、及川光博、片岡孝太郎、西田尚美、野川由美子、池内淳子、かたせ梨乃

浪速大学医学部を舞台に、第一外科の次期教授を狙う財前五郎(唐沢)とその友人で患者側に立つ内科助教授・里見(江口)を軸に、大学病院の姿、医療の問題を赤裸々に描く。ひさびさの半年放送の民放連続ドラマ。

かっちりとした原作に普通の連続ドラマ三作分以上を投入した俳優陣、大河ドラマも手掛け骨太な脚本をかける井上由美子脚本とフジテレビ開局45周年記念を冠するにふさわしい布陣。田宮二郎の旧作にどこまで迫れるか。しかし越えられるか、とは決していえない。旧作のキモは田宮二郎の鬼気迫る演技もさることながら脇役陣の厚み、これはちょっと今の俳優ではできません。
なお旧作再放送を見ると、主演を初めとしてこの人も亡くなっている、あっこの人も、とやたらと頭に浮かぶんですが、財前に忠実な医局員を演じて印象的だった河原崎長一郎も先頃亡くなってしまいました、合掌。
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