絵本/絵本関連情報

元気が出る!機関車の絵本(2ページ目)

機関車を主人公にした絵本はトーマスだけでなくたくさん出ています。擬人化しやすく、子どもが憧れを満たしつつ、自分とも重ね合わせやすい機関車の絵本をご紹介します。

執筆者:鈴木 宏枝

音楽のように走る『ちいさなきかんしゃレッドごう』

『ちいさなきかんしゃレッドごう』
ここで購入!毎朝、機関車のレッド号は元気に駆け抜けていきます。ある朝、病気になったレッド号ですが、薬を飲んでみるみる回復!
タドルコーム駅に住んでいるレッド号は、とても元気な小さな機関車です。毎朝7時に走り始め、ジュビリー村の小犬や庭のカモたちに挨拶しながら走り抜けていきます。ところが、ある日、レッド号は病気になってしまいました。動けない機関車に修理係が飲ませた薬は何だったでしょう?

元気を取り戻したレッド号がすごい勢いで遅れを取り戻しながら走っていく後半が見事です。レッド号の「ガタンゴトーン ガタンゴトーン ガタンゴトーン」という音に合わせて、まるで音符が踊るかのように、電柱と線路にdiq a diq という擬音が配列された絵が見どころでしょう。

■『ちいさなきかんしゃレッドごう』
作:ダイアナ・ロス
絵:レスリー・ウッド
訳:みはらいずみ
出版社:あすなろ書房
出版年:1945/2001.4

貨車にお客を乗せて『きかんしゃホブ・ノブ』

『きかんしゃホブ・ノブ』
ここで購入!機関車のホブ・ノブが動物たちを次々に乗せて遊園地まで行きます。
黒い字で「ホブ・ノブ」と書いてある赤い機関車が主人公です。6台もの貨車や車掌車を引くことのできる力持ちのホブ・ノブ。「しゅっしゅっしゅっしゅ」と線路を走っていく途中で、ヒツジやネコが次々に声をかけてきます。

「ゆうえんちまで、ぼくを のせてくれよ」「ゆうえんちまで、わたしを のせてくれない?」

動物たちを順番に貨車に乗せたホブ・ノブは一路遊園地へ。最後はみんなで楽しい時間を過ごします。hobnobというのは、英語で「親しくつきあう」という意味です。気さくで強くて、ちょっとのんびりしたホブ・ノブは最高の友達ですね。もとはラジオドラマ用に書かれた作品だけあって、リズム感が見事です。

■『きかんしゃホブ・ノブ』
作:ルース・エインズワース
画:安徳瑛
訳:上條由美子
出版社:福音館書店 「こどものとも」年中向き
出版年:1961/1985.8

男らしい生き方『はしれ、きかんしゃ ちからあし』

『はしれ、きかんしゃ ちからあし』
ここで購入!戦前から走り続けている機関車「ちからあし」の見た戦争と復興、そして現在は…。
蒸気機関車の「ちからあし」の見事な男らしい生き方を描いています。家畜を積み、米を積み、りんごを運び、山から村へ、また町へ。やがて戦争の時代が来て、「ちからあし」は兵隊を運びます。親友の「はやあし号」は爆弾に当たって壊れてしまいます。生きる力を失いかけた「ちからあし」は、しかし、その後、復興の時代に再び強く必要とされるようになります。

小風さちさんの作品は、無骨な主人公が誠実に生きる日々をとらえているように見受けられます。「ちからあし」が運ぶものがそのまま日本のある時代に重なり、「はやあし」を失ったときの怒りはまさに炎になって「ちからあし」を包みます。平和な今、「ちからあし」は乗せて運ぶものが、このまま素敵な笑顔だけであることを願ってやみません。

■『はしれ、きかんしゃ ちからあし』
文:小風さち
絵:藍澤ミミ子
出版社:福音館書店
出版年:2008.10


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