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マドレーヌのピンズ「Jrブローチ・トリコロール」2.4×2(センチ)¥420ここで購入!(写真提供:ドリーム・ぽけっと) | フランスのパリ。ツタのからまる古い建物の寄宿舎で、マドレーヌは、11人の仲間とやさしいミス・クラベルと一緒に暮らしています。ワンピースの制服や、リボンの帽子もとてもおしゃまな12人。マドレーヌは一番小さいけれど一番元気です。マドレーヌが活躍する絵本や映画を前編・後編に分け、じっくりご紹介いたします。
<INDEX>
1ページ目:マドレーヌと仲間たち
『げんきなマドレーヌ』『マドレーヌといぬ』『マドレーヌといたずらっこ』
2ページ目:マドレーヌの冒険
『マドレーヌとジプシー』『マドレーヌのクリスマス』
3ページ目:旅をするマドレーヌ
『ロンドンのマドレーヌ』『アメリカのマドレーヌ』
4ページ目:原書でまるごとマドレーヌ
"Mad About Madeline: The Complete Tales"
パリの小粋な女の子『げんきなマドレーヌ』
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ここで購入!ミス・クラベルと一緒にツタのからまる古いお屋敷の寄宿舎で暮らす12人の女の子たち。中でも一番元気なのが一番おちびさんのマドレーヌです。 | パリの、つたの からんだある ふるい やしきに、12にんの おんなのこが、くらしていました。2れつになって、パンを たべ、2れつになって、はを みがき、2れつになって、やすみました。
マドレーヌの絵本は、すべてこの一節から始まります。ある日、マドレーヌは盲腸炎にかかってしまいます。お見舞いに行った11人の女の子たちは、マドレーヌが自慢げに見せたおなかの手術の傷にすっかり驚いてしまいます。
12人の女の子が出てきますが、やっぱり主人公はマドレーヌ。やんちゃぶりに加え、ベーメルマンスのかもしだす色合いとリュクサンブール公園への散歩やルーブル美術館など、絵本に描きこまれた「パリ」の雰囲気が一番の魅力でしょう。ひとつ残念なのは、お見舞いに行った後の女の子たちの数。夕食のパンを食べる場面では2列になって12人いるのですよ。ここでは、マドレーヌの席がぽつんと空いて、さびしさを演出して欲しかったですね。
■『げんきなマドレーヌ』
作・画:ルドウィッヒ・ベーメルマンス
訳:瀬田貞二
出版社:福音館書店
価格:¥1,365
発行:1939/1972.11
おりこうさんのジュヌビエーブ『マドレーヌといぬ』
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ここで購入!危機一髪のマドレーヌを救ってくれた賢い犬のジュヌビエーブは、みんなと一緒に暮らすことになります。しかし……。コールデコット賞受賞。 | 日課の散歩でマドレーヌはすべって川に落ちてしまいます。助けてくれたのは1匹の犬。みんなで連れ帰ってジュヌビエーブという名前をつけて飼うことにしました。けれど、視察にきた評議員たちは名門の寄宿舎で犬などもってのほかだと追い出してしまいます……。
「こどもたちが かわいがっていますので、どうか おゆるしねがいます」と頼むミス・クラベルも、評議員に向かって泣きながら「ジュヌビエーブほど、えらいいぬはないわ。あまたには、てんばつがくだりますから!」と叫ぶいさましいマドレーヌにも胸打たれます。犬と一緒だからこそ、女の子たちの生活は彩り豊かになりました。もちろん最後はハッピーエンド。無事に帰ってくるだけでなく、12人の女の子たちそれぞれにびっくりのプレゼントがあります。
■『マドレーヌといぬ』
作・画:ルドウィッヒ・ベーメルマンス
訳:瀬田貞二
出版社:福音館書店
価格:¥1,365
発行:1951, 53/1973.5
隣の愉快な男の子『マドレーヌといたずらっこ』
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ここで購入!マドレーヌたちの屋敷の隣に、スペイン大使の一家が引っ越してきました。しかし、その家の息子のペピートはとんでもないいたずらっ子だったのです。 | 新しいお隣さんになったペピートは、とんでもないいたずらっ子で、動物はいじめるし、女の子たちには悪さばかりするし、おばけのまねをするし、元気がありあまって腕白ばかり。しかし、ある事件をきっかけにペピートは心を入れ替え気持ちのいいお隣さんになり、マドレーヌと大の仲良しになります。
あなたは もう いたずらぼうずじゃなくって、わたしたちの おてほんよ。とっても とっても すてきなかたね
隣の屋敷に住んでいるので窓越しに手を振り合ったり、一緒に散歩に行ったりするのも楽しいですね。ペピートが改心するには荒療治が必要でしたが、彼にはとっても良かったことでした。4人姉妹と隣家の青年が親しくなる『若草物語』も思い出されます。
■『マドレーヌといたずらっこ』
作・画:ルドウィッヒ・ベーメルマンス
訳:瀬田貞二
出版社:福音館書店
価格:¥1,365
発行:1956/1973.5
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