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子どもと完璧ママを襲うリタリン依存【前】(2ページ目)

リタリンという向精神薬をずさんに処方していたクリニックが立ち入り検査を受けました。しかしそのリタリン、米国では既に子供と母親たちの間の依存で大問題になった経緯が。そのわけとは?

河崎 環

執筆者:河崎 環

子育てガイド

依存性の高さはコカイン、ヘロインと同等

リタリンは、アメリカでは世界保健機構(WHO)の規定により、「スケジュール2」という規制薬品のカテゴリーに入れられます。スケジュール2の薬品は他にヘロインやLSDなどがあり、リタリンはその中で唯一合法でありながら、しかし最も中毒性が強い薬品の仲間入りをしていることになります。

リタリンは薬理作用が覚せい剤(アンフェタミン)と似ているため、人間の体の側に耐性がつきやすく、「この量では効かない」と安易に摂取量を増やしていくと、いずれそれなしでは通常の社会生活が行えなくなるという身体依存を起こしやすい薬品です。日本では比較的入手しやすい合法ドラッグのように扱われ、例えばうつ患者と偽っていくつもの診療所を回り大量の処方を受け取った者が、ネット上で違法に取り引きしたり、一度依存症になった者が処方薬を求めて盗みを働いたり、依存症患者が自ら命を絶ったりするなど、事件はあとを絶ちません。

そのような事件の背景には、リタリンの依存性の高さを医師が理解していなかったり、危険が周知されていないことによって安易な処方が行われたりしている事実があると指摘されています。東京クリニックなどはその中でもかなりずさんな処方をしていたようで、患者の求めに応じて必要よりも多めに処方するだけでなく、再診の患者には電話一本でリタリンを宅配したり、患者をほとんど診ずに処方したりと、リタリン中毒者の中では有名なクリニックだったことが報道されています。

>>>ADHD治療薬リタリン、消費量急増のわけ>>>
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