先進国では、実は日本・ドイツ・イタリアが「少子の枢軸国」と皮肉られるほどの低出生率に甘んじています。中でもイタリアの出生率はかなり低い!太陽と恋愛と食の国というイメージさえあるイタリアなのに、なぜ子どもが生まれないのか?その理由は、意外なところにありました。

イタリアが少子のチャンピオン

先進国で、日本よりも出生率が低い国があると言ったら、どこだと思いますか?実は、あの愛と食を謳歌する国、イタリアなのです。その出生率は、低い低いと言われ続けている日本を下回ったほど。先進国の中では、日本・ドイツ・イタリアが「少子の枢軸」と皮肉られるほどに低い出生率に甘んじているのですが、中でもイタリアは少子のチャンピオン、とまで呼ばれる始末・・・。2001年の統計では、出生率が高いとされるアメリカが2.13、フランスが1.89だったのに対し、ドイツが1.36、日本が1.33で、イタリアはなんと1.23という低さでした。

イタリア南部よりも北部が低い

出生率はどの国でも都市部で低めに出るものだが、イタリアは別格
出生率はどの国でも都市部で低めに出るものだが、イタリアは別格
南北に長いイタリアですが、その出生率の低さは、比較的田舎の南部よりも、都市部であるミラノ・ヴェネツィア・フィレンツェ・トリノなどがある北部に顕著です。南部の出生率は1.30から1.40を推移しているのですが、北部は0.70から0.80。もともと、出生率はどの国でも都市部で低めに出るものですが、イタリアは別格です。どうしてこんな結果になるのでしょうか。

出生率とパラサイトの関係

もともと、イタリアを含む南欧は、スウェーデンなどの北欧に比べて、晩婚の傾向にあると言われます。例えば、親の家から出て独立する平均年齢を比べると、スウェーデンは男性が20.0歳、女性が18.6歳なのに対し、イタリアは男性が26.7歳、女性は23.6歳。イタリアは、いわば「パラサイト」王国なのです。

この原因は、福祉政策の貧弱さにあると言われています。失業補償や所得保障が手薄なため、若者が経済的に自立しにくく、親に長く財政的に依存せざるを得ません。またイタリアの都市部では歴史的景観を維持するためもあって賃貸料が非常に高く、物件数も少ないという特徴があります。住宅事情が悪いので、賃貸よりも分譲という形で住宅を取得しなければ親と別居することができず、家を買う取得費用が捻出できない限りは、親元から出られないという構図になってしまうのです。

親が許してくれないと結婚できない?

結局、親からの自立は、親の援助なしでは成り立たず、そのチャンスは「親が納得する相手との結婚」ということになりがちだといいます。いきおい、晩婚になるというわけです。
 
パラサイトと晩婚、生活費(住宅費)の高さなど、日本と共通する問題を抱えるイタリア北部。2001年に日本を下回る出生率を出した後、2003年にはかろうじて日本を上回りましたが、都市部の問題が解決したわけではありません。恋愛を謳歌しても、その次にはなかなか・・・という点で、イタリアの意外な一面を見た気がしますね。

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