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知ってる?ハーレムの底辺校から成績優秀児を輩出 『子どものためのルールブック』

ハーレムの荒れた学校から成績優秀者を輩出!教育を現場から改革した「米国最優秀教師賞」受賞の若き教師による、「子どものためのルールブック」をご紹介します。今、売れてます!

河崎 環

執筆者:河崎 環

子育てガイド




ハーレムの荒れた学校から成績優秀者を輩出!
教育を現場から改革した「米国最優秀教師賞」受賞の
若き教師による、「子どものためのルールブック」を
ご紹介します。日本でも今、スゴク売れているんです!




「米国で最も優秀な教師」が、ハーレムの底辺校を変えた


子どものためのルールブック<br>
あたりまえだけど、とても大切なこと―子どものためのルールブック
ノースカロライナの田舎町で新卒から教師としての修行を積んだロン・クラークは、NY・ハーレムの小学校へ赴任する。担当したクラスは、前任者がことごとく途中で辞めていったという「問題クラス」の5・6年生で、校長いわく「本校最悪のクラス」。授業中に生徒の投げあう教科書が宙を舞い、生徒が一人残らず教師に背中を向けている様子に、ロン・クラークも「辞めようか」と考えたほど。しかし、そんな「E判定」の底辺クラスを、彼は一年で「B判定」まで引き上げたのだ。

その目覚ましい飛躍を可能にしたのは、彼の情熱を注ぎ込んだ授業。ダンス、ラップ、歌を取り入れた授業構成に子供たちは初めて興味を示し、ロンは生徒たちの信頼を得る。子供たちは読書の楽しさを知り、行儀も良くなった。

”The Essential 55 ”(邦題「あたりまえだけど、とても大切なこと―子どものためのルールブック」)は、まさにロンの指導法のエッセンスを凝縮した一冊。55のルールは、彼の”現場”である教室からつむぎだされたものだ。それは教室の中だけではなく、生き方や社会人としてのルールにも当てはまるとして、2003年に同書が発表されると大人も子供もそれぞれに飛びつき、瞬く間にベストセラーとなった。


あたりまえのこと、でも……


55のルールのさわりをご紹介すると、
ルール1「大人の質問には礼儀正しく答えよう」
ルール5「勝っても自慢しない、負けても怒ったりしない」
ルール16「宿題をきちんとしよう」
ルール30「食事をしたら、後片付けもきちんとしよう」
ルール37「誰かにぶつかったら、すみませんと言おう」
ルール45「横入りをしない」

……などなど。

至極当然のことかもしれないが、子供たちにはこれが教えられていなかった。当たり前のことを当たり前にするようになったとき、子供たちには変化が現れてきたのだという。

「本校最悪のクラス」で、一番問題児とされていた6年女児は、こんな感想を漏らしている。
「クラーク先生は私にあきらめずに挑戦することを教えてくれた。一つのことを継続することの大切さを教えてくれた。でも、それは他の先生たちが誰も教えてくれなかったことなの。」


今、「教育」がブーム?


この本で、その「当たり前のこと」を確認し、守ることが子供たちにとってどれだけ大切かを見せてくれるロン・クラーク。彼はこの本の発売の前に、ディズニー社が主催する「全米最優秀教師賞」を獲得、一躍有名人となった。現在では彼の人気は国民的なものになっていて、自らのサイトで、授業で使う彼オリジナルのラップ(「歴代大統領ラップ」など)をCD発売していたり、米国の国民的トークショーであるオプラ・ウィンフリー・ショウにも出たりするほど。

そして2004年夏、彼は2冊目の本を発表。”The Excellent 11”は、大人が伸ばすべき子供の資質をリストアップしている。

こんなにも「教育」が社会的にインパクトを持ったり、注目されたりするのはなぜなのだろう。米国の大手放送局でも、学校を舞台にした連続ドラマが放映されているし、カリスマティックな教師と生徒の交流を扱った映画もよく製作されている。思うに、学校や教室は、大人も子供も誰もが通過する場で、そこには自分の体験と重ねることのできるドラマがいつも起こっている。そのドラマ性に、現代社会が共感するような気運が再び出てきたのではないだろうか。


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