誤飲は、生後5~6ヵ月頃から5歳くらいの赤ちゃん・幼児に多発

赤ちゃん・乳児・幼児の誤飲

赤ちゃんは舐めて形や感触を確認するため、手に触れるものを何でも口に持っていこうとします。これは順調な成長の証でもありますが、誤飲に繋がる恐れがあります

食物以外のモノを誤って口から摂ることを誤飲と言い、腸から吸収されないモノは便に混じって体外に排出されることが多いです。ですが摘出が必要な場合もあり、また誤飲したモノが腸から吸収され、毒性を発揮する場合、中毒が起こりとても危険です。

赤ちゃんは舐めて形や感触を確認するため、手に触れるものを何でも口に持っていこうとします。これ自体は発達の一過程ですので、順調に成長している証拠です。ですが誤飲する恐れがあり、特に寝返りなどが始まる生後5~6ヵ月頃から4~5歳くらいまでは、誤飲が多く親は気をつけなければなりません。乳幼児が誤飲してしまった時の対応法や、誤飲を未然に防ぐために気をつけたいことを説明します。
   

赤ちゃん・幼児の誤飲で多いモノは、タバコ・医薬品

乳幼児の誤飲で多いものが、タバコ、医薬品で、その他にもボールチェーンや硬貨などの金属製品ビニールやシール、ラップ、小さなオモチャなども多く、また洗剤、殺虫剤などの化学薬品などの報告もなされています。
 
もし誤飲したモノが口の中に残っていれば指を口の中に入れて、直ぐに吐き出させましょう。完全に飲み込んでしまった場合は、下記の説明を参考にし、対応してください。
 
また乳幼児の場合、誤飲したかどうか、分からないこともあると思います。子どもの顔色、機嫌、呼吸、腹痛、下痢、吐気、嘔吐などの様子を見て、少しおかしいと感じたら、「誤飲」も視野に入れて、直ぐに病院に連れて行きましょう。
 

赤ちゃん・幼児のタバコの誤飲

生後5~6ヵ月から8ヵ月くらいにかけて、多い誤飲物です。
もちろん赤ちゃんの手に触れない所に置いておくべきなのですが、何かのきっかけで赤ちゃんの手に触れ、誤飲した場合、直ぐに嘔吐させましょう。

水や牛乳を飲ませれば良いと聞くこともありますが、たばこの場合、それは間違いです。何も飲ませず、喉の奥に指を入れ刺激して吐き出させましょう。特にタバコの水溶液を誤飲した場合はニコチンが吸収されやすい状態にあり、中毒性が高くなりますので、直ぐに病院を受診してください。
 

赤ちゃん・幼児の医薬品の誤飲

成長とともに、ふたを開けたり、扉や引きだしを開けることもできるようになりますので、医薬品の保管場所には注意しましょう

医薬品は蓋をしていても、子どもは自分で蓋を開けるようになりますので、保管場所には充じゅうぶん注意しましょう

医薬品の誤飲も多く、これは、1~2歳児にかけて多く見られます。この頃になると、自らフタを開けたり、包装をはがしたりすることができますので、家族が服用した薬を容器から取り出し、大人のマネをし誤飲したり、また内服直前に水を取りに行った隙に起こることが多いようです。
 
医薬品を誤飲した場合、喉の奥を刺激し直ぐに吐かせましょう。全くの空腹だと、吐かせにくいので、10~100mlの水を飲ませてから、赤ちゃんの鼻をつまみ、口を開かせ吐かせてもよいでしょう。そして受診の際には、誤飲をした薬や薬の説明書も持って行くことが望ましいです。
 

赤ちゃん・幼児のボタン電池の誤飲

最近はボタン電池が使用されている電化製品も増えてきています。それに伴い、取り替えた時など、ウッカリ赤ちゃんの手の触れる所に置いてしまい、誤飲というケースも出てきています。

電池が消化管内で一か所に留まると、その箇所が傷ついたり、穴が空く可能性があります。電池の種類によって、危険度が異なりますが、いずれにしても気づいたら、直ぐに受診が必要です。
  • アルカリマンガン電池、酸化銀電池は8時間
  • 水銀電池は4時間
  • リチウム電池は2~3時間でも危険と言われています。
 

赤ちゃん・幼児の、硬貨など腸内に吸収されないモノの誤飲

ボールチェーンは、子どもがストラップなどで遊んでいる時外れ、誤飲することもが増えてきているようです。また硬貨などは気をつけていても、乳幼児の手に届くと所に置くことがあり誤飲につながっています。またおにぎりを包んであるアルミホイルの誤飲も時々あるよう。

これらは、子どもの様子に変化が見られなければ、胃の中に落ちている可能性が高く2~3日以内に便に混じって排出されるでしょう。
 
この他にボタン、ヘアピン、おはじき、おもちゃの細かな部品類、ねじ、ナットなども同様ですが、体内のどこで、どのような状態で存在しているかによって、その箇所を傷つけることもありますので、病院でレントゲンを撮って確認されるのもよいでしょう。
 

誤飲が少量であれば、あまり心配がいらないモノ

また、子どもが遊んでいるクレヨンや鉛筆、マーカーペンなどを舐めていて、驚かれる場合もあるでしょう。これらは少量(1g、1ml未満目安)でしたら、心配はいりません。他にインク・絵の具・消しゴム・粘土・墨汁・のり・石鹸・口紅・ファンデーション・シャンプー・歯磨き粉・シリカゲル・台所用食材洗剤・蚊取線香・蚊取マットなどを舐めた場合も、自宅で経過観察の後、様子がおかしければ受診すればよいでしょう。
 

誤飲して、それ自体は中毒症を起こさないが、心配なモノ

画鋲や釘、クリップ、ピアス、ホッチキスの針、医薬品の包装のようなモノ
中毒性より、物理的な障害が問題となります。気づいた時、口の中から取り出せるようでしたら、指ででつまみ取り除くとよいですが、それが難しい場合は、器官などを傷つけますので、直ぐに病院で処置を受けましょう。
 
■石や砂、土など
それ自体は、便から排出されることが多いのですが、砂や土の中に寄生虫や雑菌が混じっていて、それが原因で高熱が出たり、感染症を起こす場合があります。もし嘔吐など、いつもと違う様子が見られると、直ぐに受診しましょう。
 
ティッシュ、新聞紙、絵本、段ボールなどの紙類
基本的には心配いらず、便から排出されますが、大量に誤飲すると途中で詰まったりする可能性もあり危険ですので、受診しましょう。
 

赤ちゃんが中毒性が高い物質を誤飲した場合

乳幼児は、予想もしないモノを予想もしない方法で手に取り、口にいれることがあります。じゅうぶん注意してあげたいですね

小さな子どもは、予想もしないモノを予想もしない方法で手に取り、口に入れます。5ヵ月6ヵ月頃から、4歳5歳くらいまでは、じゅうぶん気をつけましょう。

次に中毒性が高い物質を特に危険なモノと少量ならあまり心配いらないモノに分別しました。

■毒性が強く、直ぐに治療が必要
除草剤、漂白剤、トイレ洗剤、防虫剤(しょうのう・ナフタリン)、殺虫剤など
 
■少量なら、あまり心配はいらない
防虫剤(パラクロルベンゼン)、乾燥剤(塩化カルシウム、生石灰)、中性洗剤、インクなど
 

中毒性が高い誤飲物質の家庭での対応

子どもが誤飲した時、基本的にはコップ1杯程度の水を飲ませ、吐き出させるのが原則ですが、水や牛乳を飲ませてはいけないモノ、家庭で嘔吐させるといけないモノもあります。中毒性が高い物質を誤飲した場合の家庭での対応法を次にまとめました。

■農薬・殺虫剤・防虫剤などの脂溶性物質
牛乳を絶対飲ませてはいけません。救急で医療機関を受診してください。

■除光液・灯油・ガソリン・ベンジンなどの揮発性物質
家庭で吐かせると、器官に入り、肺炎を起こす可能性もありますので、何も飲ませず、救急で医療機関を受診してください。

トイレ用洗剤・漂白剤などの強い酸性、強いアルカリ性の物質
牛乳を飲ませて嘔吐させてもよいですが、無理に家庭で吐かせようとせず、救急で医療機関を受診してください。
 

赤ちゃんの誤飲、緊急で医療機関に行く場合の注意点

毒性の強い物質や、危険性が中程度のものでも大量に誤飲してしまった場合は、救急で医療機関を受診するのですが、その際、下記の事柄をきるだけ正確に医師に伝えてください。
  • 何を
  • どれくらいの量
  • いつ飲んだか
  • 誤飲後、吐いたか

また救急車を待っている間、保険証、母子手帳、もし吐いたなら、それも瓶などに入れ、持って行きましょう。
 
また中毒110番という誤飲した時の電話相談窓口もあります。
中毒110番
大阪 072-727-2499   (365日 24時間)
つくば 029-852-9999 (365日 9時~21時対応)
 

赤ちゃんの誤飲を未然の防ぐために普段から心掛けておきたいこと

危険なモノを口に入れた時は、必ず、厳しく注意してください。言葉の意味はまだ理解できていなくても、非言語で発せられるもので、徐々に理解していきます

危険なモノを口に入れた場合は、必ず、厳しい口調で注意しましょう。言葉の意味は分からなくても、親の表情、口調、雰囲気などで親の意図を読み取る様になります

子どもが誤飲しそうな危険なモノは、子どもの手の届かない所に置くことは当然なのですが、月齢が高くなってくると、引き出しや扉を開けて、中からモノを取り出したり、台に上がって手を伸ばすことも覚えてきます。ですので、扉にはロックをしておいたり、絶対届かない高い場所に保管するなど考えましょう。

また、手の届きやすい場所におもちゃや絵本など、子どもの気を引くものを置くなど、工夫することも大切です。

そしてもし、誤飲をしたり、誤飲しそうな瞬間を見た場合、これは「お口に入れるモノでない」ことや「危ない」ことを教えましょう。まだ言葉の意味は分からないかもしれませんが、親の表情や口調、雰囲気で徐々に分かってくるようになるでしょう。

赤ちゃんや小さな子どもは、好奇心も手伝って、本当に思いもかけないモノを手に取り、口にします。取り返しのつかない事故を引き起こさないためにも、日頃から子どもの誤飲について気をつけましょう。

【参考文献】
  • 異物誤飲・誤嚥症例の検討.岡洋一郎ら 福岡大学医学部呼吸器・乳腺内分泌・小児科.68(10).2449-2458.(2007)
  • 子どもの誤飲や誤嚥.山村智彦 神戸大学大学院内科系講座小児科学分野こども急性疾患学部門.(2016)
  • 家庭用品等に係る小児の誤飲事故に関する報告.厚生労働省.(2006)
  • 子どもによる医薬品誤飲事故.消費者安全調査委員会.(2014)

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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。