シュレッダーと言えば、これまでは会社の中で使う機会が多く、社内ではコピー機の横あたりに鎮座しているというイメージが強かった。しかしながら、最近ではスタンプ式の個人情報保護商品が売れ、個人が自分の情報をみずから守るというのも今や当たり前の時代になってきている。そんな中、最強ともいえるパーソナルシュレッダーが登場した。
カール事務器のマルコパッシーノだ。
デスクの横にも気軽におけるコンパクトなパーソナルシュレッダー カール事務器 「マルコパッシーノ」 |
オーバークオリティとも言える塗装
まずは外観から。カラーバリエーションはブラックとグレーの2色。 |
パーソナルということで、これまでの会社用とは違い、コピー機の横に追いやられるのではなく、机の上や横に置くことになる。そのことを考慮して今回のものはデザインにもかなり力を入れたものとなっている。ベースのデザインは同社の前機種である「パッシーノ」と同じものが使われている。ただ大きく違うのはその塗装。ブラックとグレーの2色があるのだが、いずれも何層にも塗装が施されていて、最終仕上げとしてクリア塗装までかけられているこだわりよう。深み、そして艶やかさがある。
漆を思わせるブラックにクリア塗装がかけられている。 |
特にブラックタイプはまるで漆のような質感。ちょっと意外だったのは、こんなに艶やかなのに、指でべたべたと触ってもあまり指紋がつかないところ。
クレジットカードの明細も安心して捨てられる
メインスイッチを入れると、パイロットランプがグリーンにともる。 |
投入できる紙は、A5サイズで、3枚分。パーソナルということであえて投入口を狭くし安全性を高めている。 |
すると、「ゴー」という紙を切り刻む音がする。しかし思っていたよりも、その音は静かだった。パンフレットによると、53デシベル。53デシベルと言っても、ちょっとイメージがわかないかも知れない。ちなみに、人のちょっとした会話が大体60デシベルなので、それくらい程度。これなら、家族が寝静まった夜でもそれほど気にせずに使うことができそうだ。
この静音性は内蔵のモーターをDCモーターに変更したことにより実現している。(前機種では、ACモーターが使われていた。)このDCモーターはこの他にも省エネ、CO2排出量削減、軽量化などのメリットがある。
シュレッダーをかけると、どれくらいに裁断されたがその結果が気になるところ。ゴミ箱の引き出しを開け、細く刻まれた紙片を手に救い上げてみる。これがとても細かい。 A 4枚の紙が、6930片に刻まれている。その一つ一つのサイズは2mm ×4.5mm。これは米粒一つほどの小ささ。
裁断した紙片はご覧の様な細かさ。ちょうど米粒大。 |
ここまで細かくすることで、はじめて文書の復元は不可能となるのだろう。これなら安心してクレジットカードの明細も処分できる。
この細かな裁断を実現しているのは、言うまでもなく刃である。カール事務器は鉛筆削りやパンチ、裁断機など「切る」専門のメーカー。その技術がしっかりと盛り込まれている。
マルコパッシーノには二つの刃が搭載されている。まず紙をヌードル状と言って、ちょうどおそばのように細長くし、次にその長いものを細かくカットするという二段構え。
ヨーロッパのDIN規格にはシュレッダーの情報保護の規格が5段階に決められている。マルコパッシーノの2mm ×4.5mm はその最高レベルであるレベル5に相当するという。
ちなみに、マルコパッシーノレベルの10平方mm以下という細かな裁断能力を持つものは、他社では業務用の100万円クラスのものになってしまう。つまり、会社のセキュリティレベルがパーソナルでも使えるという訳なのだ。
安全設計
パーソナルということで安全対策は欠かせない。マルコパッシーノはその点もしっかりと考えられている。まず、紙の投入口は、2mm と指が入らないように狭くなっている。万が一、紙以外のものが巻き込まれそうになるとチャイルドカバーが広がり、それによって電源が完全にオフになる。安全性を考え、投入口は2mmと狭くなっている。 |
チャイルドカバーがこの様に広がると、その時点で電源が完全にオフになる。 |
また、ゴミ箱を引き出して下から刃を覗いてみたが、刃の姿は見えなかった。これはうまく出来ていて、ゴミ箱と連動する仕組みなっている。ゴミ箱を引き出すと刃がカバーで覆われ、ゴミ箱を本体にセットするとそのカバーが解除されるという仕組み。ここまでして刃を見ようとする人はいないと思うが、念には念を入れた設計となっている。
ゴミ箱を引き出し内側を覗いても刃はカバー(白い部分)に覆われて見えない。 |
個人情報を捨てる「安心」と家庭で使うための「安全」が備わった パーソナルシュレッダー カール事務器 マルコパッシーノ 24,990円 |
シュレッダーの目的は、人に見られてはいけない情報を復元できないようにするためのものである。このことは、会社であっても、個人の家庭であっても同じ事。しかし、なぜか家庭で使うものには、ついついそれほどのセキュリティレベルまで求めなかったりしてしまう。
デジカメが「画素数」という尺度で、比較検討されてきたが、それと同じように今後はパーソナルシュレッダーも「裁断サイズ」で比較されていくことになると思う。
<関連リンク>
マルコパッシーノはスタイル ストアで販売されています。
カール事務器 サイト