8月28日~30日東京ビッグサイトで開催された「グッドデザインエキスポ」 |
ここ数年は、そのエントリー商品を一堂に並べた展示会を一般にも公開している。会場となっていた東京ビッグサイトでは、2館をぶちぬいて使い、ギッシリとデザインプロダクトが並んでいた。
いわゆる展示会とは違い、メーカーの担当の方は不在で、主役であるプロダクトだけが整然と並んでいる。そういう意味では、会社の大きい小さいに関係なく、先入観なしに、まさにデザイン力だけを見ていけるのがいい。
私は、プレス公開日に行き、ステーショナリーを中心に取材を行ってきた。しかし、会場には文具というカテゴリーは存在せず、あるのは「生活領域」「仕事領域」、「身体領域」「環境領域」などのおおまかな区分。文具ということで、まずは「仕事領域」から見ていき、結局全領域をくまなく見てみることにした。そのおかげで、海外をはじめ、色々なジャンルで面白いアイテムを見つけることができた。その数24アイテム。到底1回ではご紹介しきれないので、2回にわたってその内容をお届けしていきたいと思う。
会場に埋め尽くされたデザインプロダクツ |
印鑑が捺しやすくなる
ロッド・ワークス 印鑑ケース「みかど」1,260~1,680円。 実印用と認め印用の2タイプ。 |
まず、「仕事領域」の中で見つけたのがこのロッド・ワークス社の印鑑ケース。ロッドワークス社と言えば、以前ご紹介した印面が緩やかなカーブを描いた「弧印」のメーカーだ。
今回も印鑑のアシストツールをエントリーしていた。
これは、印鑑のケースということであるが、機能面からいうと、ケースだけでなく「印鑑グリップ」という役割も備えている。ボディは角が丸くなった三角軸。フタを開けると、印鑑がでてくる。市販の印鑑がセットできるようだ。使い方はフタを開けたこのままの状態で印鑑を捺せばいい。三角軸であることで、手にしっくりとくる。
結構タップリとした三角軸なので握りやすい。 |
実際に捺印してみたが、三角軸であることに加え、マットな質感であることも手伝って、握り心地、ならびに捺し心地は快適。一方、これだけたっぷりとしたカバーがあると、どうしても捺印の際の位置決めが難しくなりそうだ。しかし、これは、三角軸の一辺を捺印スペース(一般的には正方形であることが多い)にあわせることで、それも行いやすくなるという。少々の練習を積めば問題はなさそうだ。
安定感のある捺し心地があった。 |
多機能なペンケース
アルト東京 ペリフェラルズ マルチ ペンケース。8,400円。 |
こちらはウッドで作られた暖かみのあるペンケース。ペンケースとは言うが、これまでのようにカタチが平べったくないのが新鮮。とてもシンプルなカタチをしているが、そのわりにとっても多機能になっている。
ウッドの優しい風合いがあるペンケース。 ペンケースの中では、比較的コンパクトなサイズ。 |
まず、片側にあるレザーの留め具をはずす。
すると、そのフタの反対側が消しゴムが付いていて、フタを持ってゴシゴシと消していけるようになっている。そして、中からはもちろん主役である鉛筆も出てくる。
革の留め具を外すと、ペンが取り出せ、備え付けの消しゴムも出てくる。 |
鉛筆の取り出し方は、もうひとつある。ボディの中で、一面だけロゴが刻印されている部分がある。ここをスライドさせると、ちょうど箸入れのようにスルスルと完全に外れるようになっている。
ボディの一面をスライドしても中のペンが取り出せる。 |
こうすれば、中の鉛筆がより取り出しやすくなる。しかも、そのふたの裏側が定規になっている。なんという無駄のない作りだろう。
そのフタは、なんと定規になっている。 |
それほどたくさんの筆記具は入らない。お気に入りの筆記具を選りすぐって数本だけ持つというシンプルスタイルが楽しめるペンケースだ。