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隣の文具活用術 読売新聞記者編(5ページ目)

様々な職業の方の文具活用術をご紹介する「隣の文具活用術」。第4回目の今回は読売新聞の記者をされている市原さん。新聞記者の方ならではの活用術をたっぷりとお聞きしてきました。

土橋 正

執筆者:土橋 正

ステーショナリーガイド

ガイド:
次にスケジュール管理についてお聞かせください。

市原さん:
これまで国内外の色々な手帳を使ってきましたが、今は能率手帳ゴールド(小型)に落ち着いています。もうかれこれ10年くらいは使ってます。これがいいのは、握った時の何とも言えぬ感触です。まるで手のひらの一部にでもなったかのようです。カバーがとても柔らかく、手にしているだけで心地よい気分に浸れます。
能率手帳ゴールド 小型
能率手帳ゴールドの小型タイプ。カバーの革は、誤って折ってしまっても、時間とともに自然に戻るという。

これを10年間使ってみてつくづく思ったのですが、この間手帳のレイアウトの変更がありませんでした。使う側からすると、手帳の紙面がコロコロ変わるのは、一番困ります。手帳は日々使うものですので、そういうことでストレスを感じたくありませんからね。

ガイド:
使い方で何か工夫されていることはありますか?

市原さん:
基本は普通にスケジュール管理をしてますが、そうですねぇ。しいてあげますと毎日の睡眠時間を書きとめています。どうしても我々の仕事は時間が不規則になりがちですので、睡眠時間を毎日書きとめて4時間以下しか取れなかったら、自分でも注意するようにしています。また、同じように毎日体重も測って書いています。たったこれだけのことですが、結構体重は維持できるものです。
能率手帳ゴールド 小型
左/表紙の裏には、その年の読書テーマと読みたい本のリストがある。
右/日々のToDoリストは別途情報カードに書いて、手帳のポケットに挟み込んで常に携帯している。


ガイド:
最後に市原さんにとって文具とはどんな存在ですか。

市原さん:
私にとって、「お守り」であり、「精神安定剤」的な存在です。

握り石
このくぼみに親指を添えると確かにすごく気持ちいい。
ちょっとこれを見てください。これは文具ではありませんが、カッターメーカーのオルファの社長が作って以前に販売していた「握り石」というものです。裏面には「観音笑窪」とありまして、表には緩やか窪みがあります。ここに親指を添えると、実に心地よいんです。日本ではあまり馴染みがありませんが、アメリカなどではこうした石を握って心を落ち着かせるということがあります。

ある意味、文具も同じだと思うのです。自分の気に入ったものを持って、仕事をすると心が落ち着いていい仕事ができる。文具は仕事道具であるだけでなく、そうした精神安定剤的な面も大きいと思います。

ガイド:
本日はありがとうございました。

■取材後記
ひとつひとつの文具になぜそれを使っているのかという明確なこだわりをお持ちだった市原さん。そのこだわりは、コレクター的なものではなく、道具としていかに自分にあっているかというその点に絞られていました。

そして、市原さんがもうひとつこだわっていらっしゃったのが「感触」。以前インタビューさせていただいたドクターラミー氏も「指先の感触と脳は密接な関係があり、ペンの触り心地という面で満足してもらうのは重要です」と話していました。心地よい感触は仕事や勉強をはかどらせるために大切なことなんですね。市原さんは心地よい文具を使っていると、手のひらの一部のようになる、と語っていました。よく職人の方が愛用の道具をまるで自分の手の延長線のように使いこなしています。今回の市原 さんにとっての文具もまさにそのような存在なのでしょう。

<関連リンク>
読売新聞 PopStyle

<これまでのインタビュー記事>
銀座・伊東屋 万年筆売り場の方の愛用文具
「趣味の文具箱」編集長の愛用文具一挙公開
「スピードハックス」大橋さんの文具術
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