ステーショナリー・文房具/ステーショナリーショップ情報

銀座・伊東屋 万年筆売り場の方の愛用文具(2ページ目)

文具の老舗、銀座・伊東屋。その万年筆売場で日々接客をされている皆川さん。愛用万年筆、そして万年筆への熱い思い入れを語ってもらいました。

土橋 正

執筆者:土橋 正

ステーショナリーガイド


ガイド:
ところで、皆川さんはお若く見えますが、伊東屋さんに入社されて何年目になるのですか?

皆川さん:
3年目です。
と言いましても年齢は現在30才です(笑)。大学院を卒業してから伊東屋に入社しました。そして入社以来ずっとこの万年筆売り場を担当しております。

子供の頃、父親の万年筆をこっそりいじって、壊して怒られていました。


ガイド:
皆川さんはもともと万年筆がお好きだったのですか?

皆川さん:
はいそうです。大学院時代の論文は、いきなりパソコンに打つのではなく、必ず草稿は万年筆で書いていました。そもそも私が万年筆に興味をもつきっかけとなったのは、父親がすごく万年筆好きだったことが大きかったと思います。子供の頃、父親の万年筆をこっそりいじって、壊してしまい怒られていたのを今でもよく覚えています。

ガイド:
では、早速皆川さんが愛用されている万年筆を見せていただけますか。

銀座・伊東屋
ブラックの革ケースの中から次々出される万年筆。


皆川さん:
今回は、全部を持ってこられませんでしたので、特に気に入ったものだけを持ってきました。

ガイド:
何本くらいお持ちなのですか?

皆川さん:
正確に数えたことはありませんが、おそらく100本くらいはあると思います。

例えば、これは「中屋万年筆のシガーモデルの黒溜め」。これにはボディカラーにあわせて赤のインクを入れています。
中屋万年筆
中屋万年筆 シガーモデル 黒溜め

そして、こちらが「ラミーの99」。今のラミーと違うデザインに惹かれて、海外でヴィンテージとして買ったものです。このペン先はEF なのですが、海外のものにしてはかなり細めで、その点も気に入っているところです。しかも吸入式でインクの残量が見える窓が楕円形をしています。
ラミー99 万年筆
ラミー99。どことなく往年のパーカーの面影も。

ラミー99 万年筆
天冠にはラミーの「L」マーク。


それから、これはとっておきの一本なんですが、「アーナー・アレン・ウォーターマン」という万年筆です。
アレン・アーサー・ウォーターマン 万年筆
エボナイトが自然に焼けた深いグリーン色になっている。

通称 「A.A.ウォーターマン」とも呼ばれています。ウォーターマンとは言いましても現在のウォーターマン(L.E.ウォーターマン)とは全くの別会社です。同じアメリカということで、当時は市場でよく間違えられたそうです。ですのでこの「AAウォーターマン」のペンには、「Not connected with L.E.WATERMAN co.(これはL.E.ウォーターマンとは関係ありません)」とご丁寧に刻印したものもあったそうです。
アレン・アーサー・ウォーターマン 万年筆
A.A.WATERMANとボディに刻印されている。「PATENTED」の文字も見える。

アレン・アーサー・ウォーターマン 万年筆
残念ながら、ペン芯にひびが入っていて書くことはできない。


  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます