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英国銀製品の老舗ブランド 「カーズ」

スターリングシルバーの本場、英国の老舗ブランド「カーズ」についてご紹介します。シルバーを知り尽くしたカーズが、これまでにない画期的なシルバーを作り出しました。

土橋 正

執筆者:土橋 正

ステーショナリーガイド

独特の暖かみのある輝きを放つスターリングシルバー。ステーショナリーでもスターリングシルバーを使ったものが多く作られており、ひとつのジャンルとして確立している。今回は、このスターリングシルバーを300年にわたって頑ななまでに作り続けているブランド「カーズ」をご紹介してみたい。

スターリングシルバー カーズ CARRS
世界60カ国以上の国々に輸出されている
英国銀製品の老舗ブランド「カーズ」


スターリングシルバーの本場は「英国」

まず、スターリングシルバーの基礎情報についておさらいをしてみよう。スターリングシルバーは、銀を92.5%を含む合金のことを言う。なぜ、100%ではなく、92.5%であるかは、100%だと柔らかすぎて耐久性や強度にかけるため、色々な商品をつくるための加工に適さないからである。では、なぜこのパーセンテージが92.5なのかという疑問がわく。95%でもいいような気がする。実はこの92.5%はイギリスにおける銀貨の法廷純度に由来している。英国の1ポンド銀貨は1スターリングシルバーとも呼ばれ、そのコインに含まれる銀の純度が厳格に定められている。つまりスターリングシルバーはもともと英国で貨幣として古くから使われてきたという歴史がある。

中世の頃には、メッキの技術が発達し、本物との見分けがつかなくなるという事態が起こってしまった。そこで、英国政府は、国民の財産を守るために、スターリングシルバーをはじめとする金属製品に品質保証を意味するホールマークを打刻することを決めた。ちょうど紙幣にすかしを入れて偽造を防ぐのに似ている。

スターリングシルバー カーズ CARRS
英国政府がスターリングシルバーであることを認めたホールマーク。英国の銀製品には刻印が4つ以上ある。

この打刻には、年号が特殊なアルファベット文字で表わされ、過去から現在に至るまでそれぞれのマークにより、「いつ・誰が作った銀製品を・どの地域の政府が鑑定したのか」がわかるようになっているという。英国では、このホールマークを打刻できる地域はロンドン、バーミンガム、シェフィールド、エジンバラの4カ所しかない。今回のカーズは、シェフィールドに本社工場があり、シェフィールドのホールマークが打刻されている。

スターリングシルバー カーズ CARRSスターリングシルバー カーズ CARRS
■一番上は製造業者を表す「RC」はRon・Carrsのイニシャル。
■「925」は銀が92.5%を含んでいることを示す。
■上のマークは4カ所ある鑑定機関のうちシェフィールドで認めたことを表す。
■ライオンのようなマークはスターリングシルバーであることを示す。

■
このアルファベットは鑑定した年号を表す。同じ「h」でも書体によってすべて違う年号を意味する。

このように、スターリングシルバーは英国の貨幣の歴史と密接な関係にあったのだ。

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