ストーリーも味わえる万年筆
武士に刀があるように、ビジネスマンがここぞの商談のときなどに使うのがペンだろう。とりわけ、万年筆は特別な存在で、商談や会議の時にさりげなく取り出しサラサラと書き出せばきっと注目の的になるに違いない。
万年筆を持つということは、きっと他の人とは違うペンを持ちたいという気持も心のどこかにあるのだと思う。誰もが知っているブランドを手にするのもいいが、ここはひとつ人とは違ったこだわりを万年筆で自分を表現するのはいかがだろうか。
今回は、人と差別化できそうなこだわりの万年筆をセレクトしてみた。2本ともそのブランドの生い立ちや万年筆にたくさんの語りどころを持っている。
歴史に立ち会ってきた万年筆「シェーファー」
およそ100年の歴史を持つシェーファー。万年筆の黄金時代を築いたブランドのひとつだ。このブランド名を聞いて、ピンとくるのは若い人よりも、むしろ年配の人たちのほうが多いかもしれない。1900年初頭、もともとアメリカはアイオワ州で宝石商だったウォルター・A・シェーファー氏は当時使っていた万年筆のあまりの使いづらさがきっかけとなり、自ら万年筆づくりに取り組むことになる。そして、1907年に「レバー式充てん万年筆」を開発し、大成功を収める。
万年筆づくりに自信を得たシェーファー氏はこれを期に正式に会社を興し、本格的な万年筆メーカーとして活動を始めていく。続いて開発したのがライフタイムペンというものだ。これは、当時としては珍しく、構造上の故障を永久に保証するという画期的なものだった。当然このペンも多くの支持を受け大反響を呼んだ。それ以降も技術力を活かし、疲労感を軽減する万年筆「バランス」や、インク充てんを簡単にした「タッチダウン」など次々と独創的な機能を持った万年筆を世に送り出していった。
こうした技術力と信頼性を併せ持ったシェーファーの万年筆は数々の国際舞台でも使われるようになる。1951年には当時の首相、吉田茂氏が国連の調印式でシェーファーの万年筆を使用。また、アメリカの元大統領であるリチャード・ニクソン氏、ロナルド・レーガン氏もシェーファーを愛用していた。シェーファーの名は本国アメリカのみならず、世界中にも知れ渡るようになっていった。
万年筆づくりに自信を得たシェーファー氏はこれを期に正式に会社を興し、本格的な万年筆メーカーとして活動を始めていく。続いて開発したのがライフタイムペンというものだ。これは、当時としては珍しく、構造上の故障を永久に保証するという画期的なものだった。当然このペンも多くの支持を受け大反響を呼んだ。それ以降も技術力を活かし、疲労感を軽減する万年筆「バランス」や、インク充てんを簡単にした「タッチダウン」など次々と独創的な機能を持った万年筆を世に送り出していった。
こうした技術力と信頼性を併せ持ったシェーファーの万年筆は数々の国際舞台でも使われるようになる。1951年には当時の首相、吉田茂氏が国連の調印式でシェーファーの万年筆を使用。また、アメリカの元大統領であるリチャード・ニクソン氏、ロナルド・レーガン氏もシェーファーを愛用していた。シェーファーの名は本国アメリカのみならず、世界中にも知れ渡るようになっていった。
フラッグシップモデル「レガシーヘリテージ」
シェーファー レガシーヘリテージ
パラディウムディープカット
パラディウムディープカット
そんなシェーファーの万年筆の中で、今回私が選んだ一本は、「レガシーヘリテージ」。シェーファーの中でもハイエンドモデルに位置づけられている。このレガシーヘリテージには11種類におよぶ様々なバリエーションがあるが、ひときわシンプルで飽きのこないパラディウムディープカットをお勧めしたいと思う。
落ち着いた銀色のボディ全体にストレートカットが施されており、見る角度によりキラキラと優しい輝きを放つ。太すぎず、かといって細すぎないちょうどよいボディを手にすると、ほどよい重量感に包まれる。この重みから確かに上質な万年筆を手にしているという実感が体の中心からじわりじわりと沸き起こってくる。
ブラックの首軸と一体化したペン先
キャップをはずすと、シェーファーらしいペン先が現れる。ボディと一体化した菱形のペン先だ。そのペン先を横から見ていると、なんとペン先がやや上を向いている。よく万年筆の書き味において、ペン先がしなるといった表現をするが、これは予め、しなっている。菱形のペン先、そしてこのしなりにより、独特な書き味が生み出される。
シェーファーらしさあふれる 菱形のペン先(18金) | 独特な書き味を生む、 しなったペン先 |
紙の上にペン先を置くと、すでにペン先はしなっており、ちょっと力を加えると、さらに柔らかくしなり出す。まっすぐのものをしならせるよりも、すでにしなり始めているものの方が、しならせやすいという原理なのだろう。
紙の上にペン先を添えると 優しいタッチがある | 弾力のあるペン先が書き手の力加減をしっかりと受け止めてくれる |
筆記するときの力の入れ具合ひとつで太く力強い線も、細い線も自在に書くことができる。万年筆を自分のコントロール下において書いているという心地よさを感じることができた。
握った時の重量バランスもとてもよい
これまで、歴史の大舞台の調印などに立ち会ってきたシェーファーで、今度は、あなた自身の歴史的な瞬間をこのレガシーヘリテージで綴ってみてはいかがだろうか。
シェーファー レガシーヘリテージ万年筆
パラディウムディープカット 31,500円
ペン先は18金 F、M
パラディウムディープカット 31,500円
ペン先は18金 F、M