ドイツの筆記具メーカー、スタビロとは?
創業者スワン・ハウザー氏の名にちなんで付けられた白鳥(スワン)のロゴマーク
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2005年ごろから日本の輸入代理店が変わり、日本でのスタビロブランドの展開方法に変化が見られ始めた。スタビロ社では鉛筆だけでなく、様々なデザイン性に優れた筆記具があり、日本の店頭でもその多くを見かけるようになってきた。
今回はそうしたスタビロの商品の中から、普段オフィスでよく使う、しかもデスクまわりを楽しくさせてくれるデザインのものを紹介したいと思う。
欧米で蛍光マーカーと言えば、この形
世界で初めて作られた蛍光マーカー「スタビロボス」
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今や、誰もが当たり前のように使っている蛍光マーカーだが、その歴史は意外とまだ浅く、今からさかのぼること35年ほど前のことになる。4代目のグンター・スワン・ハウザー氏が1971年に訪米した際に、学生がフェルトペンで教科書を塗っているのを見て、蛍光マーカーを思いついたのだそうだ。そして同年に発売されたのが、世界で初となる蛍光マーカー「スタビロボス」である。
このスタビロボスは、圧倒的な支持を受け、1997年には総販売数が10億本を達成し、世界のトップシェアを誇っている。スタビロ社によれば、平均毎秒2本のペースで売れ続けているというのだから、これはすごいと言わざるを得ない。
世界で一番売れている蛍光マーカー
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我々が日ごろよく使っている蛍光マーカーと言うと、いわゆるペン型のものが多いが、このスタビロボスは平面型というユニークなスタイルをしている。そのデザインの決定に際してハウザー氏は、握りやすさと同時に見た目にも面白くなくてはならないとこだわったと言う。デザイナーに粘土を使って色々と試行錯誤を繰り返させている中、あるデザイナーがつくった太軸の円柱を手のひらでグニュッとつぶしたのをハウザー氏がいたく気に入って、決めたのだそうだ。
デザインを検討していた時のモックアップ
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こうしてある意味偶然生まれた平面ボディだが、楽しさだけでなく実用面も兼ね備えたものになっている。まず、ボディが太いためインクがたっぷりと入いる。同社の細軸の蛍光マーカー「スイングクール」と比較すると、なんと2倍近い筆記距離になるそうだ。蛍光マーカーを使っていると、肝心なときに限ってインクがなくなってしまうことがたまにあるが、これならその心配はぐっと減るだろう。
蛍光マーカーはラインを引くものなので、一般のペン先のように先端が丸くなっておらず、板状になっている。実際にラインを引く時は、ペン先を正しい向きにしなくてはならない。スタビロ ボスのボディとペン先はその向きが揃っているので、ペンの向きを確認せずとも、ペンを握ったと同時にペン先も揃うという利点もある。
意外と握りやすい四角いボディ
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ラインが引きやすいようペンの先端がスリムになっている
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蛍光マーカーに求められるものと言えば、ラインを引くときのペン先の視界の良さというものがあげられる。これはどういうことかというと、蛍光ペンはふつうのペンと違って、紙の上に自由に書くと言うものではない。すでに書かれた文字の上にラインを引くということが唯一最大の仕事である。
つまり、ペン先を紙の上にあてたときに、そのペン先のまわりの視界がよくないといけない訳だ。このスタビロボスは、ボディが太くなっていながら、ペン先だけは、ギュッとスリムになっているので、ラインがとても引きやすくなっている。
スタビロボス8色セット
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楽しさあふれるポップなデザインの中にも使いやすさへのこだわりもしっかりと備わっている。だからこそ、世界トップシェアを今なお誇っているのだろう。