ステーショナリー・文房具/ボールペンを愉しむ

存在感あふれるペン Vol.3胴軸が伸びるペン(2ページ目)

胴軸が伸びるという面白い機構を持ったペンの中からラミーピコとトンボデザインコレクションXPAを取り上げて徹底比較をします。

土橋 正

執筆者:土橋 正

ステーショナリーガイド

工具のようなトンボデザインコレクションXPA

トンボデザインコレクションXPA
トンボ鉛筆社はデザインコレクションという書くことの喜びが実感できる美しさと機能性をコンセプトに1986年からデザインコレクションというシリーズを発表し続けている。そのデザインは特にヨーロッパで高く評価されている。今回紹介するXPAもその仲間のひとつである。

これまた、斬新なフォルムがとても印象的。ラミーピコが丸っこいフォルムであったのに対し、このXPAはどちらかと言えばちょっと角ばったエッジの効いたデザインで、まるで機械の工具を思わせる。ボールペンのリフィルにはガス圧式タイプというものが採用されていて、上向きでも水に濡れた紙でも筆記ができてしまう。見た目どおりの本格派だ。

トンボデザインコレクションXPAトンボデザインコレクションXPA
ペン先と反対側を引っ張ると・・・
ペン先が出ると同時に胴軸が伸びる

ボディ全体には、つや消し加工のアルミで覆われており、金属的な印象が色濃くでている。XPAはラミーピコと違い、どちらがペン先かは一目瞭然だ。では、どうやってペン先を出すかと言うと、このXPAにもなかなか面白い仕掛が搭載されている。
ペン先と反対側を引っ張ることで胴軸が伸び、ペン先も現れるというものだ。我々が良く使っているシャープペンやボールペンではペン先を出すには、ノックをするのがほとんどなので、この引っ張るという逆の発想はとても新鮮な感じがする。慣れないうちは間違えて、ついついノックをしてしまったりする。

トンボデザインコレクションXPA
伸ばせば、快適な筆記が楽しめる。
収納時の全長が10.5cm、伸ばした状態で12.9cmとラミーピコよりいくぶん長めである。シャキというちょっと金属っぽい音ともに伸ばしてみると、およそペンとは思えない斬新なフォルムが出現する。伸ばしたほうがより工具っぽい雰囲気がある。先ほど引っ張った部分を押し込めば、カチッというクリック感がありペン先が収納される。ラミーピコが片手1本のノックでペンの出し入れが出来たのに対して、トンボXPAでは両手を必要とする。片手でも出来ないことはないが、ちょっと大変かもしれない。
XPAにもやはりクリップは付いていない。胴軸表面には目立った突起物は見当たらないので、傾斜のあるデスクなどではコロコロと転がってしまうことがある。

トンボデザインコレクションXPA
ネックストラップにつけることもできる。
XPAには、引っ張る部分にお鍋のふたのような取っ手がついていて、そこには意味ありげに穴が開けられている。何を通してもいいのだろうけど、私はネックストラップを通している。ストラップを通してみると引っ張ってペンを出すという先ほどの仕組みがとてもしっくりくることに気づかされる。首からストラップを下げてそこにXPAをつるしておく、そして、いざ筆記しようとXPAを手にすると自然な流れでペンを引っ張ることができ、筆記の動作へとスムーズに流れていく。ストラップにつけておけばそれこそ1アクションでの筆記が可能となる。
トンボ鉛筆社の提案はこういうことだったのかと合点がいった。

最近は、社員証や携帯電話など首からいろんなものを下げるのが、ごく普通になっている。そこにXPAをつけてみるのも面白いと思う。

個性豊かな2本のペン

ペンの胴軸が伸びるという点では共通の2本だったが、ラミーピコ、トンボXPAともにそれぞれ違った機構と提案があり、とても興味深かった。単に筆記する道具ということを超えて、筆記をもっと楽しもうということが両方のペンからひしひしと感じられた。2本それぞれ甲乙つけがたく、2本とも買いだと個人的には思っている。

ラミーピコ トンボXPA
■ラミーピコ クローム 7,875円~ 
■トンボデザインコレクションXPA 2,625円


<関連リンク>
「デザインのよいペン」のリンク集
ラミーオフィシャルサイト(英語)
ラミーオフィシャルサイト(日本シイベルヘグナー)
トンボデザインコレクションオフィシャルサイト
ラミーピコはスタイルストアで購入できます
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