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靴に使う「牛革」を深く考えてみる その3E(3ページ目)

今回の「メンズシューズ基礎徹底講座」では、加工によってマットな質感を得た革を採り上げます。様々な種類がありますが、どれも通常の革に比べると、多少乱雑に扱っても耐え抜いてくれる頼りになる存在です。

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

あっさり目のグローブレザー!

グローブレザー
グローブレザーは、オイルドレザーと一見似るものの、その表面がサラッとあっさりしているのが特徴。靴ではアンラインド仕様にすると、その特徴が見事に引き出されます。


オイルドレザーと一見似たマットな表面を持つもので、「グローブレザー」と呼ばれるものもあります。本来のものは、弾力性や伸縮性に優れ軽い革に仕上がる現在一般的な「クロム鞣し」を行った後で、堅牢性や耐摩耗性に優れる「植物タンニン鞣し」を行う「混合鞣し(コンビ鞣し)」を施し、双方の長所を引き出します。アメリカを代表するスポーツ・野球で用いられるグローブ(グラブ)に用いるのが主目的の革です。

あっさりした風合いながらも瑞々しさも垣間見えるのが、見た目の大きな特徴です。ただ、グローブ用以外で今日一般的にそのように呼ばれている革には、実際にはその風合いからヒントを得て「クロム鞣し」のみで作られたものも数多く含まれています。要は使用目的に合わせた一種のアレンジで、厚みの割に柔らかいのはどちらも共通です。

通常のスムースレザーに比べれば畏まっていない一方、オイルドレザーのようなハードで脂っぽい印象もないので、素朴さや軽快さを全面に出したい靴に暫し用いられます。特にアンラインド仕様のコインローファーとは相性が抜群! 暑い時季に思わず素足で靴を履きたくなる際には、個人的には一番快適に感じる素材です。あと、履きジワが意外と目立ち難いのも、この革の隠れた長所かも?


最後のページでは、ビジネスの場面では非常に役立つ革!
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