顧客の用途を、妥協無く形にします!
CLEMATISで仕立てられたボックスカーフのブリーフケースです。フラップからグルッと前身頃まで継ぎ目のない形状と、ボックスカーフの質感が相まって、前のページのものに比べ優美な線が出るのが特徴。これと同じ仕様で価格は\480,500(税込み)。 |
小松直幸さんが作るCLEMATISの鞄は、高野圭太郎さんが作るここの靴と同様に、顧客から注文を受けた上で製造するオーダーメードです。その仕組みは以下の2種類に大別でき、いずれも納期は約8ヶ月掛かります。
A:オリジナルオーダー(税込み\178,500~)
予め用意されているデザインをベースにした、高次元なパターンオーダーです。
- 小松氏・高野氏とまず十分に話し合い、現在13種類あるモデルの中から基本デザインを選択する。
- 顧客の用途や体形に応じて、全体寸法の微調整の要・不要を検討する。
- 用いる革素材や持ち手の形状、錠前等の金具の種類や縫い糸の色、更にはその他オプションについて選択してゆく。
- 1.~3.を基にデザインパターンを裁断する。
- 錠前等の金具にオリジナルのものが選ばれた場合、それを慎重に作製したり研磨してゆく。オリジナルでないものが選ばれた場合でも、溶接したりメッキを剥がして研磨したり等を通じ、必ず改良を施す。
- 4.5.を基に、鞄として全て手で縫い上げてゆく。
- 製品が完成し、顧客に納品。
B:フルオーダー(税込み\350,000~。「仮縫い」代を含みます)
お客様の「こんな鞄が欲しい!」の声を受けて、「どのような物を入れ、どのような使い方をするか?」を伺った上で新たにデザインを提案し、それを基に鞄を作り上げる、文字通りのフルオーダーです。
- 小松氏・高野氏とまず十分に話し合い、顧客の用途や体形に応じて鞄のデザインや寸法、それに持ち手の形状等を考える。
- 用いる革素材や錠前等の金具の種類、それに縫い糸の色について選択してゆく。
- 本番用とは異なる革で、まず「仮縫い用の鞄」を作製し、用途上問題の無いデザインかどうか等を顧客と共にチェックする。
- 1.~3.を基に、「本番用の革」でデザインパターンを裁断する。
- 錠前等の金具にオリジナルのものが選ばれた場合、それを慎重に作製したり研磨してゆく。オリジナルでないものが選ばれた場合でも、溶接したりメッキを剥がして研磨したり等を通じ、必ず改良を施す。
- 4.5.を基に、鞄として全て手で縫い上げてゆく。
- 製品が完成し、顧客に納品。
なお価格ですが、鞄の場合はデザインやそれ自体の大きさ、使用する革や錠前等の金具の種類、あるいは選択したオプション等で大きく変動するため、場合によってはA・Bいずれの場合でも即座にご返事できず、「お見積り」として後日回答せざるを得ない場合もあることを予めご了承願いたいとのことです。また、注文内容によってはAの場合でも、別料金になるものの製作途中で本番用とは異なる革での「仮縫い」工程を挟み、鞄に入れたいものが過不足無くきちんと納まるか等をチェックするケースもあるそうです。因みに上記のAとBの違いは、あくまで「鞄作りのアプローチの違い」であって、持ち主の用途と体形に合ったカッコいい鞄を提供する目的地は全く同一ですから、素材・金具・縫製等の「品質」や納期には差がないのは、この店の靴の場合と全く同じですよ。
上の写真の鞄の持ち手に付く金具です。このパーツは925シルバーのものを特注で鋳造してもらい、小松さん自身が研磨したもので、滑らかな曲線が何とも魅力的! 小さな部品ながらも鞄全体の印象を、見事に引き立てます。 |
次のページでは、小松さんが作るCLEMATISの鞄の魅力を徹底解剖!