あの靴の仕様も再現できます！
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| ウェルト表面に凸凹を全く付けないため、出し縫いの糸が目立つ「平目付け」。ジオグラフィーではドレス系の靴にラバーソールを装着した場合の仕様となりますが、希望によりレザーソール仕様でも対応可能です。 |
単にスタイルやアウトソールの厚みだけでなく、「目付け」の違いでも靴の表情に相当な違いが付けられてしまうことを、何となくでもお解りいただけましたでしょうか？ 実はジオグラフィーの靴には、モデルによっては前出の2つ以外の「目付け」も、オプション料金が掛からずに注文できてしまいますよ！ 他の著名なメーカーのこの部分のお話もしつつ、それらをご紹介致しましょう。
一つ目は上の写真のような「平目付け」仕様。ウェルト表面に凸凹を全く付けないので、「出し縫い」の糸がダイレクトに表出するのが特徴で、底周りをシンプルにスッキリと見せるのに効果があります。ちょっと素っ気なく感じたりもする仕様ですが、ジョン・ロブ（パリ）の通常ラインの既製靴が、以前からこの仕様を採用していることで知られており、それも前出の効果を確信犯的に狙ったものだと思われます（プレステージラインのものは、前ページの写真のような出し縫いの糸が見えない「細目付け」です）。ジオグラフィーの靴では、ドレス系の靴でVibram等のラバーソールを装着する場合は専らこの仕様のみとなりますが、レザーソールの場合は指定が可能です。
もう一つは下の写真のような「面取り目付け」仕様です。ウェルトに表出する「出し縫い」糸よりも外側を面取りし、その部分にのみ「目付け」を入れる大変凝った仕様で、ウェルトの出っ張りを小さく見せるのに極めて効果的な意匠です。有名なところでは1990年代後半以降のエドワード・グリーンがこれを採用していまして、ジオグラフィーの靴ですと、以前の小生の記事で比較した「グレース」木型や「オールドイングリッシュ」木型等のモデルとの相性が良いように思います。因みに1ページ目にある靴はどちらも「オールドイングリッシュ」木型のものですが、一番上の写真の靴はウェルトが「細目付け」、下の写真のものは「面取り目付け」でして、皆さんはどちらがお好みですかな？
いかがでしたでしょうか？ アッパーの革の選択肢がより身近な方向に広がっただけでなく、「目付け」のような大変細かい所も選べてしまうジオグラフィーですが、もちろんその最大の魅力は、顧客一人一人の足に合わせ堅牢でフィット感に優れる靴を提供してくれる点に尽きます。1足5～8万円台でこれだけオーダーの醍醐味を堪能できるブランドって、そうはありません。石原店長も大変フレンドリーな方ですから、国産であれインポートであれ既製の靴に何かしらの不満を抱いている方、是非とも一度訪れてみて「小鳥をそっと包み込むフィッティング」を体感されてみて下さい！
飯野註：残念ながら2009年10月末を以て、ジオグラフィーは活動を休止し、直営店舗であるジオグラフィーリビングも閉店しております。
【店データ】
■GEOGRAPHY Living
所在地：東京都渋谷区神宮前6-34-14
TEL/FAX：03-3409-5960
HP： 靴のお店 | GEOGRAPHY Living
営業時間：月…12:00～20:00
火・木・金・土…11：00～20：00
日…11：00～19：00
定休日：水曜
地図：Yahoo!地図情報
交通：JR「原宿駅」から徒歩5分または東京メトロ千代田線・副都心線「明治神宮前駅」7番出口から徒歩1分
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| 「面取り目付け」とは、ウェルト表面の出し縫いの糸より外側を面取りし、そこにだけ凸凹を付けたもの。あまり知られていない意匠ですが、ウェルトやコバの出っ張りを目立たせない効果があります。 |
