男の靴・スニーカー/ドレスシューズ

遂に完全復活、伝説のShetland Fox 後篇(2ページ目)

完全復活した伝説のShetland Fox。前篇に引き続き後篇では、履き心地の良さを陰で支えるパーツをまず徹底解剖。更にはNew England Collectionやスリッポンの魅力など、今回も内容充実でお伝え致します!

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

見た目はのんびり、フィットはしっかり!

ASTORIA"
Shetland Fox New England Collection・ASTORIAシリーズのサドルシューズです。ナチュラルベージュ色の水染めコードヴァンと、ダークブラウンのスコッチグレインカーフとの見事な対比。正攻法でチノーズと粗目のオックスフォード地のボタンダウンシャツと合わせてみて下さい。


この度復活したShetland Foxの中には、REGALの故郷・アメリカが栄華を極めた頃の靴を多分に意識したNew England Collection というカテゴリーがあります。今回は最初にそのカテゴリーの中から、アッパーにコードヴァンを用いたASTORIAシリーズをご紹介致しましょう。コロッと丸目のトウシェイプがいかにもかつてのアメリカなのですが、履き心地が快適ながらも決して怠惰ではないのは他のシリーズと同様です。

このシリーズで用いられるコードヴァンは、日本で鞣されたいわゆる「水染め」のもの。透明感に優れアメリカのタンナーのものとはまた一味異なる質感で、その違いが一番実感できるのは、ご覧のような事実上無染色状態のナチュラルベージュ色のものでしょう。瑞々しさにかけては間違いなく天下一品であるものの、素材の性質上足の左右で異なる経年変化、具体的には「色焼け」が左右で違ってしまうリスクがあるため、素晴らしさが解っていながら大手メーカーでは手を出したがらないこの色に、敢えて挑戦してくれました。大丈夫、コードヴァンが本当に好きなユーザーは、そんな経年変化の差だってもはやお楽しみの一つ!

丸目のトウシェイプやストームウェルト付きダブルソールでつい錯覚してしまうのですが、このASTORIAシリーズは実は案外細身で、見た目と履いた際との印象のギャップがまた魅力! いずれにせよ全体のシェイプは幾分カジュアルに映るので、外羽根式のプレーントウや2009年春夏のメンズシューズトレンドの中核であるサドルシューズのような、視線を鳩目周りに集中させることで散漫な印象を払拭するスタイルとは、確かに相性の良い木型です。思い出してみればどちらもREGALが永年得意としている靴なわけで、こんなところにも多大に蓄積されたノウハウが見事に活かされているのです。

【Shetland Fox New England Collection/ASTORIAシリーズ】
■スタイル : A.サドルシューズ、B.外羽根式6穴プレーントウ
■色 : A.…ナチュラルベージュ、ブラウン。いずれもサドル部はフランス・アノネイ社製スコッチグレインカーフのダークブラウン。 B.…ブラック、ブラウン、ナチュラルベージュ
■アッパー素材 : 日本製水染めコードヴァン
■底付け製法 : 360度グッドイヤー・ウェルテッド。ストームウェルト仕様
■ソール素材 : オールレザーソール。ダブルソールオープントラック仕様
■サイズ : 5 1/2~9 1/2サイズ刻み。 いずれもJIS Eウィズ相当
■価格 : いずれも一足\64,050(税込み)
■備考 : B.のブラック以外は外鳩目仕様です

トウシェイプ
ASTORIAシリーズのトウシェイプは、直球一直線ながら実は意外と細身のアメリカンラウンド。長い間見向きもされなかったのが嘘のように再評価著しい造形です。流石に長年作り慣れているだけあって、昨今増殖中の「モノマネ」とは全く異なります。



外鳩目
ASTORIAシリーズでは多くのモデルで、鳩目を補強するリングがアッパーに表出した通称「外鳩目」仕様となります。カジュアルにも古典的にも見えるディテールで、眼鼻立ちをはっきりさせ視線をそこに集中させる効果は絶大です。女性の化粧品に例えればマスカラのようなもの!




次のページでは、「メーカーがREGALなんだから、やはりこれがなくては……」的なシリーズのご紹介!
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます