スペインはマヨルカ島の農夫が履いていた靴にインスパイアされて、その歴史が始まった
カンペール 。それは決してデザインという表層的な部分だけをなぞったのではない。マヨルカの自然やそこに暮らす人々をフィーチャーした広告からもわかるように、彼らは靴を通して、マヨルカの文化を伝えようとしているのだ。都会に住む僕らにとって、それは一服の清涼剤。そして、スタッフの多くが陽気なマヨルカ人によって成り立っているカンペールは、ウィットにも富んでいる。
遊び心がたまらないツインズ。
カンペールの代表シリーズともいうべきツインズ。写真の新作を見てもらえばわかるように、アシンメトリーで、1足で初めてデザインが完成する。完成したデザインは野球ボール。このメンタリティって“ウィットに富んだ”というよりも、実は親父ギャグと形容した方が正確かも知れない(笑)。しかしできあがった靴はシャレているのだ。こーゆー遊びのある靴は大人が履いてこそサマになる。デザイナーの感性はオヤジだし(笑)。
暖かみのある素材感に惹かれるインダストリアル。![]()
次は最近特に人気があるシリーズ、インダストリアル。海に浮かぶボートをモチーフにしたもので、サイド・ステッチがアクセントになっている。暖かみのある素材感もいい。ちなみに、インダストリアルが初めて発売されたのは86年のこと。アイテム一つひとつの寿命も長いし(消えたと思っていたアイテムがいきなり復活することもある)、シリーズに至ってはきちんと継続される。ここからも凡百のファッション・ブランドとは一線を画すことがわかるだろう。1シーズンで時代遅れなんてことには間違ってもならない点も、僕らには嬉しい。
DATA 発売/7月
価格/ツインズ2万5000円、インダストリアル2万3000円(手前)、2万3000円(奥)
問い合わせ/カンペール・プレスルームtel.03.5458.2800