
靴づくりの要となる底付けはグッドイヤーからマッケイ、セメント、ステッチダウン、最近流行のブラック・ラピッドまで何でもござれ。工場をのぞいてみると、いまだクリッキング(裁断)には手裁ちが残っているし、釣り込みでは二度釣りが行われている。釣り込みが“手”に限るというのは、木型のフォルムを忠実に再現してくれるということなんだけど、機械でも二度に分けて釣り込めば、下手な手釣りよりよっぽどきれいなのだ。
そして、メーカーの宿命であるミニマム・ロット(最低発注量)がさほど大きくない。よってまだ売り場は大してもっていないデザイナーにとっても非常にありがたい存在。これはし好が多様化するニーズに合わせようということなのだ。社長を務める高橋さんは「デザイナーからの依頼は量こそ多くはありませんが、優れた感性をもっており、我々の靴づくりに反映させることができる。それに少ロット対応は時代の流れ。ゆくゆくはその方向性を体現したオリジナルを開発したいと思っています」

もひとつ、おまけの情報として、ここんちは靴づくりが学びたいって若者を研修生として迎え入れる受け入れ態勢があります。さらにユーザーの工場見学も大歓迎だそーです。


●宮城興業
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