to&co.のデザイナー、浜田比止志さんと若林正裕さんはとってもうらやましい生活を送っている。何がうらやましいかっていうと、1年の大半を海外で過ごしているのだ。東京はごみごみしていて創作活動に向かないってのがその理由なんだけど、だからっておいそれとは海外で生活できるものではない。
彼らはパリにアトリエを構え、イタリアで靴をつくっている。そんな生活を送っているのは、商売そのもののベースが海外にあるからだ。ドイツのGDSやイタリアのMICAM、それにパリのプルミエール・クラスといった世界のトレンドを決める名だたる見本市に出展して、そこで注文をとる。世界で評価されるシューズ・デザイナーが出てきたといっても、これだけ本格的なのはto&co.くらいなものだろう。
じゃ、なんでto&co.が世界で評価されているのかっていうと、イタリアのモノ作りとパリに住む日本人の感性といういまだかつてない組み合わせが、まったく新しいものを生んでくれるからだ。彼らによるとレディスは“清楚”、メンズは“自分たちが本当に履きたいもの”だそう。
前々から日本人の感性は良いと思っていたけど靴になったとき、何かが抜け落ちてしまうような気がしていた。それは多分、デザイナーが頭に描いているものを理解する職人の感性だ。日本の靴職人の世界もずいぶん若手が入ってきていて、今後は大いに期待できるし、僕個人としてはむしろそっちの方を応援したいのだけど、とりあえずもうちょっと海外で渡り合えるブランドが出てきて欲しい。to&co.は間違いなく僕のそんな願いをかなえてくれてるブランドです。
to&co.をこの目で確かめたいって人は、メルマガでも触れた、この3月にオープンしたショップDAZZLING(ダズリング)がおすすめ(レディスのみ)。
●DAZZLING=渋谷区恵比寿西1-30-16オアシス代官山B1F、(営)12:00~20:00/無休
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