男の靴・スニーカー/カジュアルシューズ

こだわりっていわれても困るんだけど、といいつつ、 必履!の快適さ「ベアー」。

特集企画に連動させて原稿を一本書いてくれって依頼が来た。テーマはこだわりの所有靴。物欲のない僕になんて依頼を…と一度は断りかけたけど、ありました。その名を「ベアー」といいます。

執筆者:竹川 圭


誰もが一度は聞いたことがあるコンフォートシューズ。履き良さを第一に考えた靴のことを指す和製英語です。
「ベアー」はドイツ生まれの、コンフォートシューズ。コンフォートシューズというとデザイン的にはパッとしないイメージがあり、確かに「ベアー」もその例にもれず、大方のラインはコンサバ。

ところが僕のもってる「ベアー」はちょっと様子が違う。写真を見てもらえばわかるように、アウトドアの匂いを感じさせる、がっしりした風体のブーツなのだ。
ブーツというカジュアルなデザインを選択した事実だけで十分インパクトがあるけど、特筆すべきは革の風合い。気持ち悪いといって敬遠する人もいる血筋がくっきり見える。血筋は血管の跡で、高級レザーの証明なのだ。履き込めば味が出てくるというのはこーゆー靴のことをいうのです。

コンフォートたる所以は、わかりやすいトコでいえばオブリック・トウ。足なり形状のことをいい、足指が自由に動かせる。あの「ビルケンシュトック」で有名になった形ですね。
で、ここんチの違うところは、インソール。一般に知られるコンフォートシューズは、足をサポートするといった考え方でつくられているために、フットベッドという足裏形状に合わせたインソールが用いられる。足には地面からの衝撃を緩和するクッション機能があるのだけど、歩くうちにへたってくる。それをサポートするのがフットベッドなのだ。ところが「ベアー」のそれは平ら。
「ベアー」のコンセプトは靴を履きながら、裸足の状態を再現する、というもの。裸になった僕らの足は、みずからのクッションで衝撃を逃がし、前に進むときは足指で大地をガッシとつかむ。それを再現しようと思えば、指先が自由に動かせるオブリック・ラストで、インソールはフラットなものでなければならなかったのだ。
さらに驚くことは、ヒールの高さがないということ。ヒールというと何だか女性の靴のような気がするけど、実はメンズもカカトに若干の高さをつけている。
もういまさら説明するまでもないだろう。「ベアー」はあなたに向って、自分の足できちんと歩きなさいよといっているのだ。
本来靴は、アスファルトに覆われた地面から足を守る機能があればいいはず。必要最小限の機能だけど、人間工学的に考えられた靴。それが「ベアー」。なんて理屈をこねる前に、この靴は単純に履きやすい。そしてかっこいい。だから好きなのである。
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