ギルド・ウェルテッド・フットウエア・カレッジはその筋では名高いビスポーク靴工房「ギルド・オブ・クラフツ」が運営する学校。主宰者の山口千尋さんは若手靴職人憧れの人であり、とっても人気のある学校です。
阿部恵里さんはお母さんの紹介で靴メーカーに就職。特に強い思い入れはなかったのですが、「一つの間違いが後々の工程に支障をきたす」靴の奥深さに惹かれ、きちんと勉強してみたいとギルドの門を叩きました。“お茶に合わせて美味しい洋菓子はいかがですか?”というコンセプトで統一し、クグロフという焼き菓子やキャラメル・ムースのデコレーションケーキをモチーフにした作品はとってもかわいい。とりあえずフリーの仕事でお金をためて、次のコースに進みたいとのこと。今靴が作りたいっていうのは、こんな普通の女の子に多いのです。
*ちなみに講師でもあるギルドの職人、江川治さんが趣味で?作ったバイオリンシューズがこれ。ジョン・レノンのグランドピアノをモチーフにしたこともある人。脱帽。

73年創業と、靴学校としては最も古いのがエスペランサ靴学院。人材育成は業界発展に欠かせないと靴のトータル企業エスペランサが始めた学校です。一企業が私財を投げ打ち、多くの業界人を輩出してきました。その奉仕精神は泣けてきますが、本来は業界あげて取り組むべきこと。お偉い人々は何をやってんだか…話がそれました。
冨田真理さんは単身赴任のお父さんのための靴を作りました。以前作った靴は少々奇抜すぎて、お父さんの趣味にはあわなかったようです。「大学に行く意味がわからず、早く仕事をしたかった」冨田さんは興味のある服飾で職を探し始めますが、そんなときに靴の学校があることを知ります。「靴が作れるなんて」という驚きで即入学。機械で作るのと違って、1足1足表情が違うのが嬉しいといいます。

トリは曽田耕さん。若手靴職人の第一世代ともいうべき人です。個展をベースに靴作ってメシ食ってる数少ない一人です。今回もかなり好調に注文が入り、お客の一人には今最も有名なシューズデザイナー、三原康裕さんもいたそうです。それはそれで嬉しいのですが、僕が紹介した洋服屋さんの「店におきたい」というオファーを「夏までは個人客の注文をこなすので精一杯」とすげなく断ったそうです。ある意味、マイペースな曽田さんらしいエピソードではあります。
それにしても今回の個展で驚いたのはトップページの、高さ2メートルはあろうかという巨大バッグ。最近結婚した京子さん(オメデト)と2時間がかりでパーツを組み合わせたそうです。こういうの見ると、曽田さんってやっぱり作家なんだなと思います。

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