スーツ・ジャケット/スーツ・ドレスビジネス

正しいスーツの選び方(1) 型を選ぶ(3ページ目)

自分に合ったスーツを正しく選ぶのは、何年スーツを着ていてもなかなか難しいものです。スーツ選びの第一関門はモデル(形)を選択すること。スーツのモデル選びのポイントを解説しました。

首藤 眞一

執筆者:首藤 眞一

メンズファッションガイド

モデルをどう選ぶべきか
スーツのモデルを選ぶときの基本となるポイントは、シングルかダブルかということ、ボタンの数、そしてどの種類のベントにするかだ。その決め方は、いろいろな形のモデルのスーツに実際に袖を通してみるのが一番。動きやすさを重視する人は、シングルの二つボタンスーツやサイドベンツが気に入るだろうし、よりフォーマルで男性的な印象を作りたい人はダブルのスーツを選ぶかもしれない。動きやすさ、着心地。そしてシルエット、その時代の流行、自分が作りたい印象など様々な要素を考慮して自分が納得するモデルを選ぶのがよい。そのためには、少々時間もかかるかもしれないし、また、ある程度スーツにこだわりを持たなければならない。自分のこだわりを持ってスーツを選んでいると、愛着を感じるモデルが自然と決まってくるものだ。

メンズスーツのトレンド
ここ数年のスーツのトレンドは、体にぴったりフィットした英国調のシングルの三つボタンスーツだ。しかし、最近では二つボタンスーツが復活の兆しにある。
メンズファッションのトレンドは、比較的大きなサイクルでゆっくりと変化する。そして、メンズスーツのモデルも流行によって変化する。20年前には、アルマーニのダブルのエレガントなシルエットのスーツがもてはやされたが、ここ数年はウエストが絞られたブリティシュモデルのシングルの3つボタンスーツが主流となっている。しかし、現在では、2つボタンのセンターベントのスーツも、再び復活しつつある。さらに、今後の予測としては、ダブルのスーツがカムバックしてくるだろう。

ディテールのもっと小さな変化を見れば、毎シーズン、何かが変わっていると言ってもよい。例えば、ウエストの絞り位置やボタン位置に変化があったり、ラペルの幅が変わったり。また、トラウザーのすそ幅が細くなったり、太くなったりしているのだ。

流行に左右されないスタイル
このように、メンズのスーツにもその時代の流行があるのは確かである。しかし、伝統的なクラシックスーツは何年経っても着れるものだということも言っておきたい。長年スーツを着こなして自分のスタイルが定まっている人は、流行に左右されることなく、頑として同じモデルのスーツを着こなすケースも珍しくない。例えば、007のジェームス・ボンド。ジェームス・ボンドのスーツは、時代が変われど、シングルの二つボタンスーツで、色は濃紺、素材はサージ(表面をクリア加工し、毛羽立ちをなくした織物)と相場が決まっている。

スーツの形であるモデルを選ぶのは、スーツ選びの第一関門。今回は、その選び方のポイントを解説した。スーツのモデル選びに方法はあってもルールはない。あえて言えば、自分のスーツに対するこだわりを満たしてくれるモデルを探すことが正しいスーツの選び方だと言えるだろう。

次回は、スーツ選びのポイント その2 素材と生地について解説します。


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