W&Hギデンの鞄はご存知ですか?
上段手前/ブリーフケース5万9850円、上段奥/2ハンドルジップケース8万1900円、下段/トップフレームケース11万5500円。 |
ピーター/もちろんです。当時W&Hギデンの鞄を作っていたのは、グレンロイヤルなんですよ!
残念ながらこのブランドはなくなってしまいましたが、大変手間のかかる仕上げをしていました。
じつはグレンロイヤルの仕上げのなかにはスタンダードとハイグレードの2種類があって、W&Hギデンの鞄は鞄職人の技術の粋を集めたハイグレードな仕上げでした。
たとえばエッジをV字型のノミのような道具で削り、そこに染料をつけながら手で磨いていく。気の遠くなるような工程を何度も繰り返していくわけです。
そうすると、ブライドル・レザーが含んでいるオイルと染料がうまく反応して、とても美しい光沢が出るんです。最後にラッカーでプロテクトします。
倉野/グレンロイヤルの名で、現在もハイグレード仕上げの製品を作っているのですか?
耐久性をしっかり残しながらも軽量化に成功した人気のレザートートです。レザートートバッグ6万900円。 |
倉野/耐久性の面では現在の仕上げで十分ということですね。
ピーター/そういうことです。いま日本に入ってきているライトウエイトの鞄もそうですが、現在のライフスタイルにマッチした製品を手掛けています。若い世代にも同社の製品を使ってもらいたいですしね。
倉野/できればハイグレードな仕上げの鞄をもう一度作ってほしいのですが?
ピーター/わかりました。もし作るにしても限定販売になると思いますよ(笑)。
取材を終えて/という感じで、グレンロイヤルの製品についてはほとんどインタビューしていません(笑)。すみません、反省・・・。
それにしてもピーター氏がグラスゴー美術学校を出ていたとは驚きでした。彼の美意識の高さが同社のモノ作りに影響を与えていることは確かだと思います。
似た英国ブランドの革鞄や革製品が巷に出回っていますが、個人的にはグレンロイヤルが好きですね。
W&H ギデン(W&H GIDDEN)について
1806年に英国オックスフォード州で創業。当初は小さな革のなめし工場からスタートし、その後ヨーロッパ有数の馬具メーカーになった英国王室御用達ブランドです。
1999年にシュナイダーブーツ社に買収されていますね。現在、鞄および革製品を作っているかは不明です。
かなり前にモノ・マガジン誌の原稿を書くためにグレンロイヤル製のW&H ギデンの鞄を見たことがあります。
なかでも高級なタイプだったような気がします。じっくり見たというよりも、重箱の隅をつつくようにベタベタ手で触って観察しました(笑)。ちゃ~んと白手袋をしましたよ!
手縫いのオーダー鞄なら藤井鞄のような素晴らしいものはありますが、既製鞄でここまで威厳が漂っているのは初めてでした。
エルメスやチェレリーニの優雅さとはまた違った魅力です。
英国の革鞄に多い素朴というか、質実剛健なだけといった感じでもなく、むしろ高貴な雰囲気に包まれていました。
現在では伝説にすらなっているこのブランドを手掛けていたのがグレンロイヤルだったというのは嬉しいですね。
以上、英国鞄に興味のある人のためだけの記事でした(笑)。
ピーター氏が愛用している英国軍のミリタリー・ウオッチ。オメガやIWC、ジャガー・ルクルトではなく、あえてETERNA(エテルナ)というところがいいじゃないですか! ETERNAといえばボールベアリングを使ったエテルナマチックが有名ですね。※写真で見る限りほぼ間違いなくETERNAだと思います。 |
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