エーボン・ハウス
エーボン・ハウスのドレープ・スーツ。肩幅を広くとって、ウエストを絞ることでドレープ感を演出。シャツはアリストクラティコ、タイは無名のクレスト・タイ。すべて私物。 |
2つボタン上1つ掛け、袖は3つボタン。ベントはノーベント。広いラペルも特徴的である。
ポケットはすべてオープン・パッチ・ポケットで、広い肩幅と前ダーツを入れることによって、美しいドレープを出している。
バブルの頃の変なスーツに似てなくもないが、デザインコンセプトが根本的に異なり、1930年代~'40年代にかけて流行したスタイルを再現している。
さまざまなブレザーが巷にあふれているが、これほど過去に目を向けたブレザーは珍しいのではないだろうか。エーボン・ハウス黄金期のブレザーといってもいいほど。
シャンタル・デュモ時代の旧タグ。個人的には新しいタグよりこちらが好きです。 |
その他のブレザー
写真にはないが、その他のブレザーのサイズを参考までに。
VAN(1980年代前半購入)
サイズと素材/着丈72センチ、肩幅44センチ(床置きの状態で直線計測)、A5(胸囲91、胴囲80、身長170センチ)、ウール93%、ナイロン7%。
ブルックス ブラザーズ(1990年代後半購入)
サイズと素材/着丈73センチ、肩幅45.5センチ(床置きの状態で直線計測)、A5、ウール100%。
ナイロン混の謎
なぜだが昔のフランネルのブレザーには5~10%のナイロンが入っている。これはフランネルが柔らかい素材のため、肘付近がポッコリ出てしまうのを防ぐためといわれている。ただ、どのメーカーが始めたのかはわからない。
もともとブレザーのオリジナルはスポーツをするための上着だったのだから、ナイロン素材が混ざっていてもおかしくはない。ただイギリスでは既製ブレザーであってもナイロンは入れないだろうなあ~と都合よく考えてしまう。
とすると、やっぱり米国の老舗J・プレスか、日本のVANあたりが最初に入れたのだろうか・・・。ん~謎である。