この場合はベルトかサスペンダー(ブレイシーズ)で吊るすことになる。ベルトはシューズやバッグの色に似た色合いにしたい。合皮ではなくカーフやコードバン(農耕馬の尻革)などの本格的なものを選ぶこと。5つ穴が開いていたら真ん中の穴に合わせること。
英国服好きには欠かせないサスペンダー
英国志向の人は『アルバート・サーストン』は必須アイテムだ。本格的なトラッドショップに行けばたいてい扱っている。
米国ブランドの『ポール・スチュアート』もサスペンダーが充実している。青山店と銀座店に行けばお洒落なデザインのサスペンダーが揃っていて、きっと満足できるはずだ。
またオールドファンには『トラファルガー』が懐かしいだろう。最近めっきり見かけなくなったが、探せばまだ見つかるはずだ。
もちろんクリップ式ではなく付属のボタン仕様で着用したい。ボタンはパンツの内側に縫いつけること。もし自分でできない場合は購入したショップやリフォーム屋で安くつけてくれる。
より本格的にサスペンダーを究めたいたら、はじめからベルト通しがないパンツを選びたい。
ただこのサスペンダーは人目にさらすものではないので、暑くてもけっして上着を脱がないという忍耐力が必要になる。まあ、英国服好きのお約束ごとである。
秋冬のパンツには折り返しを
パンツの裾の折り返し(ターンナップ)の有無はまったく着用者の自由だが、フランネルなどの重い素材やツープリーツのパンツ、ダブルブレストのスーツなどはあるほうが自然のような気がする。その場合は3~4?の折り返しが適当だ。
なぜか晩年の俳優ケイリー・グラントとフレッド・アステアはシングル仕様にしている。なぜだろう・・・。
余談だが’60年代のアイビー好きは、重りのかわりに5円玉を入れてパンツを美しく見せたといわれている。あと、フォーマルウェアはかならずシングルという決まりがあるので注意したい。
スーツの素材は季節によって当然変わってくる。春夏であれば清涼感のある平織りのトロピカルウールが主流で、アイビー世代には懐かしいモヘヤ(アンゴラ山羊の毛)混のトニック生地や、3本の強撚梳毛糸を平織りにしたポーラなどがおすすめだ。
ただ最近ではこのような名称にかわって、たんに「ハイツイスト(強撚糸)の~」といった呼び方をするショップも増えてきた。