文章 : 佐藤 明男(All About「男のヘアケア」前ガイド)
溺れる者はワラをも掴むとはよく言ったもので、追い詰められたらとにかくなんでも試してみようと思ってしまうのが人間ですよね。薄毛の方も例外ではなく、ワラでもいいから掴ませてくれ!と思うこともあるのでは?
そこで今回は医学的な根拠はないですが、ひょっとしたら効果があるかもしれない数々の事例を紹介したいと思います。
神に髪だのみ!?全国にある「髪神社」
困ったときの神だのみ!ということでまず最初は全国にある髪にまつわる神社を紹介いたします。
■かつらを考案した蝉丸を祀る「関神社」
百人一首で有名な蝉丸ですが、実はかつらと深い関係があったのです! |
東京都北区王子にある関神社では、歌人として有名な蝉丸が祀られています。
子どもの頃に遊んだ百人一首で、その名を覚えている人もいるのではないでしょうか。余談ではありますが、百人一首の坊主めくりではローカルルールで蝉丸が特殊な札として扱われることが多いため、「ほかの人物は覚えていないけれど蝉丸だけは覚えている」という人が多いようですね。
さてそんな蝉丸ですが、実は日本ではじめてかつらを作った人でもあります。
醍醐天皇の第四皇子として産まれた蝉丸でしたが、盲目のため僧侶になり、古屋美女という侍女とともに静かに暮らしていました。
ある日、自分の姉が逆髪で人に笑われていることを知った蝉丸は、古屋美女の髪を切りそれを使ってかつらを作ったのです。
百人一首で坊主の札として使われていた歌人が実はかつらの考案者だったとは、なんだが奇妙な繋がりを感じてしまいますよね。
関神社(せきじんじゃ) 住所:東京都北区王子本町1-1(王子神社境内) 電話:03-3907-7808 交通:JR京浜東北線・メトロ南北線・都電荒川線「王子駅」 |
■日本最初の髪結いを祀る「御髪神社」
髪の神社なので、御髪神社。そのものズバリなネーミングですね。
また、「髪」は「神」にも繋がると考えられているようです。
ここは日本最初の髪結いといわれている采女亮藤原政之(うねめのすけふじわらのまさゆき)を祀っている神社。
ここは全国の理容業界からの信仰が厚く、昭和のはじめまで理容業者が毎日17日を定休日としていたのは、采女亮藤原政之が4月17日に亡くなったからだといわれています。
また髪塚と呼ばれる参拝客の献髪を納祭する場所もあり、髪の恩恵に感謝を捧げているとのことです。
実際にここにお参りにきて薄毛が解消したという人もいるらしいので、
神に髪を捧げることで美しい髪が戻ってくるかもしれませんね。
御髪神社(みかみじんじゃ) 住所:京都府京都市右京区嵯峨小倉山田渕山町10-2 電話:075-882-9771 交通:京福嵐山線「嵐山駅」 |
■毛髪と理容の神を祭る「髪授神祠」
男性のみならず女性の髪も美しくしてくれるそうです。 |
香川県にある石清尾八幡宮境内蜂穴神社の横にある髪授神祠。ここには八百万の神のなかでも、我々に髪を授けてくれる飽昨能宇斯神(アキグヒノウシノカミ)と、先ほど紹介いたしました采女亮藤原政之が祀られています。
ここも京都の御神神社と同じく理容業界からの信仰が厚く、11月に行われる髪授神祠大祭では多くの業界関係者が集い、毛髪の育成により理容業が成り立ったことへの感謝をするそうです。
また、ここでは赤ちゃんの毛をお供えする?とで、美髪をたもて、若ハゲ・白髪を防止してくれるということです。驚きですね。
さらに境内には毛魂碑というものもあります。
これは散髪などで切ってしまった髪の霊を供養するためのもの。
「髪に霊なんて!」と驚かれる方も多いと思いますが、古くから日本では髪と霊との存在は結びつけられていたようで、呪いのワラ人形にも相手の髪を入れますし、髪が伸びる日本人形なんて話もありますよね。
また、裁縫をする人たちは針供養を行っていたことを考えると、髪結いや理容師が髪の供養をしていたとしてもなんらおかしくはないわけですね。
髪授神祠(はつじゅしんじ) 住所:香川県高松市宮脇町1-30-3 (石清尾八幡宮内) 電話:087-862-5846 交通:JR高徳線線「栗林公園北口駅」 |
次のページではさらなるワラが登場します!!