文章 : 佐藤 明男(All About「男のヘアケア」前ガイド)
育毛や増毛に対して、植毛はどのような特徴があるのでしょう? |
植毛は、頭皮に毛を植え付ける医療行為!
「植毛」とは、その字の通り、毛を頭皮に植え付けることです。実はこの植毛技術は、日本で誕生しました。それがアメリカに渡り進化し、今では全世界に広がっています。植える毛のタイプによって「自毛植毛」と「人工毛植毛」に分けられ、また、植える方法によって「手植え植毛」と「自動植毛機植毛」に分かれます。頭皮に毛を移植して毛根を再生させるわけですから、育毛や増毛と違って、医療行為(※)にあたります。
※医療行為:「医師法」によって、医師以外の者が行ってはいけない行為のこと。人体の安全などの観点から、医業を医師の独占とさせ、一般の人が医業を行うことを禁止するために定められました。
「自毛植毛(生毛植毛)」と「人工毛植毛」、「手植え植毛」と「自動植毛機植毛」の特徴の違いは下記です。
●自毛植毛
男性ホルモンの影響を受けずに薄毛になりにくい後頭部、側頭部などの髪を、薄毛の部分に移植。生きた健康毛を再生させます。上手く定着すると(定着率は95%とも言われています)、自分の髪の毛として一生伸び続けます。
●人工毛植毛
モダアクリルやポリアミド単繊維等を原料とした毛髪素材を薄毛の部分に植え付けます。後頭部などの髪を採取する必要がありませんが、頭皮へのダメージは少なくありません。また、生きた髪ではないので、一度抜けるともう生えません。拒絶反応や炎症があるとのことで、アメリカでは10年前から法的に禁止されています。
◎自動植毛機
コンピュータを搭載した植毛機で植毛します。ただしコンピュータでも一人ひとり違った頭の状態には対応しにくく、定着率が悪かったり、採取した植毛の無駄が発生したりします。そのため、現在アメリカでは、自動植毛機を使用しているクリニックはほとんどありません。
◎手植え
高度な技術を有した看護士が、丁寧に植毛。その人の状況に応じて、1本1本確実に移植していきます。手作業なので一見アナログ感がありますが、「最新技術+人の手のきめ細かな感覚」で、現在では最も進んだ“グローバルスタンダード”となっています。