輸入車/注目の輸入車試乗レポート

“自立心あるクルマ好き”に似合うCTS-V

アッパーミドルサルーン、キャデラックCTSのハイパフォーマンスモデル“CTS-V”。激烈な加速をもつこのクルマは、もはや良くも悪くもアメリカ車のイメージを逸脱しています。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

アメリカンな豪快さをもつスポーツサルーン

キャデラックCTS-V
ラグジュアリーなアッパーミドルクラスサルーン、キャデラックCTSの最上級スポーツモデルがCTS-V

世の中の多くの人は、特に日本にいると、GM車なんてもうほとんど、否、まったくと言っていいほど売れてないんだろうな、と思っていることだろう。確かにとても売れてないが、全く売れてないというわけではなく、今でもちゃんとディーラーに行けば買うこともできるし、実際に買いに来る人だっている。GMという会社の事情は今、最悪の最悪だが、だからといって即、今GMで売っている個々のクルマそのものが悪いということにはならない。

“クルマが悪いから会社もこうなっちゃった”というのは理屈ではあるが極論で、特に今日本市場へ導入されているようなモデルには世界的にみてデキの良い物が多い。シボレーコルベットしかり、キャデラックエスカレードしかり。もちろん、それが時流に合っているかどうかは別にしてね……。

キャデラックCTSというクルマもまた、良くできたアッパーミドルクラスサルーンだ。インフィニティG(日本名スカイライン)やM(同フーガ)、レクサスESやGS、ドイツブランドの欧州D&Eセグメントがライバルである。

先代こそ、ちょっと中途半端な仕上がりだったが、現行モデルは相当にレベルの高い仕立てとなっており、国産モデルはおろか欧州プレミアムブランドと肩を並べるパフォーマンスを誇っている。アメリカ車史上、最高のスポーツサルーンである。

ノーマルモデルの仕様はV6モデルがメインだが、このCTS-Vにはなんと、6.2リッタースモールブロックV8スーパーチャージャー付が積み込まれた。欧州プレミアムブランドの高級スポーツシリーズ、たとえばM・ベンツのAMGなどに対応するモデルがキャデラックのVシリーズだと思っていい。

4ドアサルーンにコルベット由来(といっても、同じものじゃないが)のV8を押し込む。何ともアメリカンな豪快さ。この事実を聞くだけで、多くのクルマ好きの興味を引くに違いない。

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