NISSAN(日産)/日産の車種情報・試乗レビュー

日産スカイラインのデザインフィロソフィー(3ページ目)

六本木ヒルズのビジネススクール「Roppongi BIZ」で、「日産スカイラインのデザインフィロソフィー~一瞬で人を惹きつけるデザインをつくるデザイン戦略」と題した講座が開かれた。

執筆者:松本 明彦

インフィニティブランドとして

V36新型スカイラインのアイデアスケッチ。リアホイールへ向かって勢い良くカーブするキャラクターラインで、FRを主張する。

躍動的で官能的な、強く絞り込まれたフェンダーと抑揚のあるフード。

「『モダンウォームス』は、V36スカイラインのデザインキーワードの一つです。アメリカでは『クルマをセクシーに見せたい』要求があります。そのことをを意識しながら、日本ならではの奥ゆかしい『色気』として表現しました」。躍動的で官能的なフェンダーやフード、和紙のテクチュアを持つ本アルミや本木目ビュバンガのフィニッシャーなどが、モダンウォームスを表現する。

検討されたモデル。

スカイラインは、アメリカでは高級車ブランドのインフィニティG35セダン、G37クーペとして発売され、メルセデスベンツCクラス、BMW3シリーズ、レクサスISなどをライバルとしている。そのインフィニティブランドのデザインキューは、Lシェイプヘッドランプ、ダブルアーチドフロントグリル、アーチ状のルーフ、くの字に戻るサイドウィンドウ、Lシェイプテールランプ、ダイナミックなデザイン、FRらしいプロポーションとスタンス、ダブルウェーブのインテリア、水平基調のマルチファンクションスイッチ、アナログ時計などだろう。

V36新型スカイライン開発時のインテリアのスケッチ。ダブルウェーブが見て取れる。

しかしそのインフィニティブランドのデザインキューである、Lシェイプヘッドランプやダブルアーチドフロントグリル、アーチ状のルーフ、くの字に戻るサイドウィンドウなどを、なぜ日産ブランドのティアナやシルフィにも使うのだろうか?インフィニティブランドを育てるためには、得策とは思えないのだが?という疑問を常々思っていた。その疑問を今回長谷川さんにぶつけてみると「日本にはまだ、インフィニティブランドはありません。日産セダン共通のデザインキューとして採用しました。だからインフィニティブランドを展開しているアメリカでは、インフィニティブランドと日産ブランドのデザインは同じではありません」という回答を頂いた。

V36インテリアのフルサイズモデル案。

水平基調のマルチファンクションスイッチが見て取れる。

となると、予定されているインフィニティブランドの日本展開を考えると、今後のラインナップは、インフィニティ、日産ともそれぞれのブランドをより明確化し、デザインを差別化していくことになるだろう。

生産型にほぼ近い、V36ファイナルモデル。


<関連リンク>
・スカイライン
・「ダイナミックなデザイン 新型スカイライン」
・「Roppongi BIZ」

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