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日産が開発した『スマートミラー』ってどんな機能?

日産自動車は、後方視界をルームミラー部分の液晶画面に表示するというシステム『スマートミラー』を開発した。いったいどんな機能なのか、スマートミラーがついたエルグランドに早速試乗してみたので、レポートをお届けしよう。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

『スマートミラー』その見え方を検証

日産自動車は『スマートミラー』という、後方視界をルームミラー部分の液晶画面に表示するというシステムを開発し、エルグランドとエクストレイルのディーラーオプションにした。果たしてどんな効能を持つのだろうか。スマートミラー付きのエルグランドに試乗してみた次第。

まず第一印象は「あらま!」でございます。運転席に座ると無意識にルームミラーの調整を行うが、スマートミラーに映っているのだ、画像が。したがって調整不要。助手席に座っている人にも見えるように出来る。もちろん後部座敷に座っていても後方確認出来るし、ラゲッジスペースに荷物満載したってOK。

試乗を開始したのが節電のため暗くしている地下駐車場だったのだけれど、これまた明るく見える! その後、夜間や逆光でも後方の安全確認をキッチリ出来ると言うことに驚かされた。いや、雨の日の後方視界も濡れたリアウインドゥ越しじゃないため、これまた視認性良好。
(写真SM3)暗くても明るく見える

暗くても明るく見える

不思議なのは後続車の見え方。普通のルームミラーだと、自分のクルマの1m後方に停止している後続車は、自分の位置からの距離で見える。しかしスマートミラーのカメラはリアガラス部分に付いているため、1m先に見えてしまう。ミニバンだとドライバーの顔が大写しに。
(写真SM4)後続車は拡大される

後続車は拡大される

ここまで読んで「スゴイですね!」と思うことだろう。実はスゴイの、ここまでだったりして。一番「もう少し頑張って欲しい」と感じたのが画質。カメラの性能は130万画素と若干物足りない感じ。写真を見て頂ければ分かる通り、実像(鏡に映ったもの)より明らかに解像度低い。
(写真SM1)ナンバーも読めない

ナンバーも読めない

前述の通り夜間や雨天、逆光時の情報量に関していえば優秀なスマートミラーながら、普通の状況下だと少しばかり不満。加えて太陽が出ている時は液晶の反射も気になる。太陽の下で液晶TVを見ているのと同じこと。こら厳しい、とスマートミラーのスイッチをオフにしてみた。
(写真SM2)実像

実像

スイッチを切ると普通のミラーに切り替わるのだ。すると信号待ちの際、エンジン振動によりミラーが激しく揺れてしまい非常に見えにくい。エクストレイルは未確認ながら、エルグランドについていえば十分な振動対策をしていなんだと思う。いろんな意味で積極的に推奨は出来ないと考えます。

それならスマートミラーは将来性のない技術かと聞かれたら、むしろ「これは素晴らしい!」と答えたい。ルームミラーの位置に装着するから不満が多くでる。ルームミラーは従来通りの鏡を残しておけばいい。その上で、視認性の良い場所に液晶画面を設置すればいいと思う。

さらに助手席専用のスマートミラーなども加え、倍率を自由に変えられるようにしておけば、不慣れなドライバーのアシストなども出来る。人が運転するクルマに助手席用のスマートミラーなど付いていたら、積極的に安全確認など行うことだろう。3年くらいで高い評価を受ける技術だと思います。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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