スパルタンなドライブフィール

価格はMTが493万5000円、ATが504万円。初代のZ33はMTのみの設定だったが、2代目のZ34ではATがラインアップされたのもニュース

2007年1月、Z33型フェアレディZの末期に登場したversion NISMOは、ガイドにとっても非常に興味深いクルマで、今でも大好きなクルマの1台です。見た目はとてもインパクトがあったし、乗っても衝撃を受けました。というのは、Z33というクルマについて、正直あまり素性はよろしくないこと多々感じていたところを、よくぞここまで洗練させたものだと感じさせる仕上がりだったからです。初代version NISMOは、いわばZ33を素材に、オーテックジャパンが「最高のZ33」をつくったという認識を持っていました。

そして、Z34のversion NISMOがベース車のデビューから半年という早いタイミングで登場。ベースのZ34自体の完成度がかなり上がったことで、今度はどういうクルマになっているのか興味津々だったところ、結論からいうと、Z34が持つスポーツカーとしての要素を、より強調したクルマになったというふうに感じています。

CD値はスタンダードモデルと同じ0.30を維持しつつ、CL値は▲0.159と文字どおりダウンフォースを得ている

ドライブフィールはけっこうスパルタン。サーキットを本気で攻めることも視野に入れたようなセッティングという印象。ノーマルのZ34は、けっこう快適性の確保にも配慮したように感じられますが、version NISMOでは、そのマージンを削って、より限界性能の向上に振ったように感じられ、攻めた走りでも挙動が大きく乱れることはありません。

とはいえ、足まわりはただ強化しただけでなく、固めでありながらもよく動くように味付けされているという感じ。しかもパフォーマンスダンパーも効いてか、ボディの不要な振動が起こりにくく、瞬時に収束するように仕上がっています。空力を追求したこともあって、路面にタイヤがしっかり接地している印象があります。

カナード形状としてダウンフォースを稼ぐ
スポイラー形状も洗練。バンパーをZ33より控えめとはいえディフューザー形状として流速を速めている
Z33のときもそうだったのですが、「ダウンフォース」の存在を感じさせるクルマです。80km/hを超えたあたりから、車体が空気の力で押し付けられ、タイヤが路面に吸い付いていくのを感じ取ることができます。

よく、空力性能について「ダウンフォース」という言葉を使いますが、実際に「ダウン」になっているケースは稀な話。リフト(=揚力)を低減させたことをダウンフォース獲得と表現している場合が多いのですが、version NISMOの場合は、初代もそうで、本当にダウンフォースになっています。速度を増すにつれて、タイヤに荷重が乗っていくのがわかります。

専用に強化されたサスペンションが与えられ、レイズ製鍛造軽量ホイールを履く。タイヤサイズは標準車と同じだが、ホイール幅は前後とも0.5Jずつワイドとなっている。フェンダーモールは保安基準への対応

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