カイエンよりもお得感が高くて、スマートな選択
全長4755mm×全幅1930mm×全高1730mmというボディサイズは、レクサスRXとほぼ同じ。ランクル200や現行型のX5よりは控えめな大きさです。急な坂を下る時に、ゆっくり一定の速度で走行できるヒルディセントアシスト機能が備わるなどオフロード性能は十分 |
デビューは2003年9月。言ってみれば、高級スポーティセダンの背を高めて作ったような高級SUVです。ライバルとなるのは兄弟のカイエンのほか、M・ベンツMクラス、BMW X5、アウディQ7(これも姉妹車にあたります)、国産ならレクサスRXといったところでしょうか。この中で中古車価格がカブるのは、旧型X5程度。しかし、X5のデビューは2000年10月ですし、200万円以内で見ると、やはりVWトゥアレグのほうが当然ながら年式は新しい中古車が並びます。だからこそ、オススメはトゥアレグなのです。
搭載されたエンジンは3.2LのV6と、4.8LのV8。4WDは4X MOTIONと呼ばれるフルタイム4WDで、トルク配分は通常時で前後50:50、状況に応じて0:100~100:0まで可変します。ミッションはティプトロニック付き6AT。
高級セダンとして使える割に、ベンリなのが積載性の高さ。リアシートまで倒せば1750Lの積載量を誇り、耐荷重100kgのルーフレールも備わっています。マリンスポーツやウインタースポーツにこういう車を使う人って、かっこよくありません? |
トゥアレグがデビューした頃は、ちょうど最上級モデルとして新たに開発されたフェートンが登場するなど(2003年5月デビュー、日本は未導入)VWの高級車志向が高まっている頃でした。しかし、VW→フォルクスワーゲン→国民の車→ゴルフなどハッチバック、というイメージが強かったのでしょうか、先のフェートンは本国で苦戦。結局、現在はこの高級車路線はなりを潜めています。
しかし、VW=ゴルフ、プジョー=ハッチバック、ボルボ=ワゴンというような“常識”の裏側にこそ、おいしい中古車が隠れていることは、この企画をよく見てくださっている方ならもうおわかりのハズ。トゥアレグは日本でそこそこヒットはしたものの、ゴルフほどではありませんし、カイエンと比べて安いにも関わらず、中古車の流通台数はほぼ同じですから、それほど大きな販売台数の差はないようです。
それではトゥアレグは人気通り、そんなに魅力のない車なのか? 次ページで、詳しく見てみましょう。