クラウン人気を復活させた名車ゼロクラウン
エクステリアは「静から躍動への変革を象徴する革新的なスタイルを創造」したと言うくらいですから、従来の「落ち着いたクラウン」とは違うことを、まず見た目でアピールしています。また前後重量配分を前53:後47とし、操安性を高めています |
2003年12月にプラットフォームを一新して登場したクラウンアスリート/クラウンロイヤル。通称“ゼロクラウン”は30~40代世代にも支持され、ミニバンの勃興で右肩下がりになっていたクラウン人気を復活させたモデルと言えます。またこのプラットフォームは非常に良くできていて、現行のクラウンはもちろん、マークX、クラウンマジェスタ、レクサスISやGSなどにも使われています。
その魅力の1つは、従来のクラウン観とは一線を画す、若々しくて押しのあるスタイルにあります。また、それまでの「おじさんクラウン」的な乗り味から脱却し、ヨーロッパを意識した、シャキッとした乗り味も魅力です。しかもそれらには、輸入車には望むべくもない、日本人の好みを熟知した“トヨタ味”が存分に振る舞われています。
安全装備の充実ぶりは、さすがクラウン。運転席&助手席エアバッグはもちろん、前席にニーエアバッグを標準装備。VSC&TRC、ブレーキアシストも標準装備。サイドエアバッグやカーテンエアバッグ、コーナリング時に曲がる先を照らしてくれるAFSなども用意されていました |
アスリートは、専用の電子制御サスペンションを備えます。そのため乗り心地はよく言えばしっかりですが、たいていの人は「硬いな……」と感じるのではないでしょうか。その点ロイヤルなら、従来のクラウンに比べたら「硬い」かもしれませんが、むしろ「しっとり」という言葉がピッタリです。乗り心地としてはこちらのほうがオススメですし、しかもアスリートより安いのですから、ロイヤルはお買い得です。
デビュー時のエンジンはV6の3.0Lと2.5L。いずれも直噴エンジンです。3.0Lには6AT、2.5Lには5ATが組み合わされましたが、2005年10月のマイナーチェンジで2.5LモデルのFR車は6ATに変更されました(ちなみにこのマイナーチェンジの際にアスリートは3.0Lエンジンから3.5Lへと換装されましたが、ロイヤルはそのまま3.0Lを搭載しています)。
100万円を切ってきたとはいえ、「いつかはクラウン」と呼ばれた車です。当然装備に関しては申し分ないのですが、中古車で選ぶときにどうすればいいか?も含め次ページでもう少し見ていきましょう。