良い道具は古くなるほど味が出る!?
レクサスISとほぼ同じ程度のサイズですが、ISの5.1mよりも小さい4.9mという最小回転半径など、取り回しやすい車です。エントリーグレードのC200以外はアルミホイールやフロントパワーシートなどを標準装備しています |
しかも、安い。原稿執筆時点での修復歴なしでの最安値は1997年式/5.6万km/のC280、9万円也。C280の新車時価格は560万円ですが、それが9万円で買えるとなれば、もう軽自動車や国産コンパクトカーなんて買っている場合じゃ、ないですよね。ちなみに20万円以下&修復歴なしで探してみると、セダンで22台、ワゴンでも7台見つかりました。10年以上も前に作られた車で、販売店にとって利が薄い価格設定にも関わらず、廃車にならずに市場に出回るということは、やはり良い道具だと認められているからかもしれません。
名車190Eを受け継ぎ、初めて「Cクラス」を名乗ったのは1993年のこと。デビュー時は190Eと比べられ、なんだかんだ言われたりしましたが、それは古き良き時代を懐かしむ、いわゆる懐古主義なのではないかと、その当時思ったことを覚えています。その時代に合った、コンパクトサイズのメルセデスであることは間違いありません。実際日本では大ヒットしました。ちなみにビンテージ感バリバリの190Eの中古車価格は、このCクラスとほぼ同じ。ならば私なら、使い勝手の良いCクラスのほうをオススメします。
190E時代にはなかった、待望のコンパクトワゴンはセダン登場から3年後の1996年デビュー。M・ベンツならではの実用性の高いラゲージは、最大容量1510Lです |
搭載されたエンジンは直4の2L(C200)と2.2L(C220)、2.5Lのディーゼル(C250)、直6の2.8L(C280)がありました。2.2Lは途中2.3L(C230)となり、さらにV6の2.4L(C240)へと変わりました。C280も同様にV6へと変わっています(排気量はそのまま)。ミッションはいずれも5ATを搭載しています。
1997年のマイナーチェンジ時のカタログで確認すると、オートクルーズやウッドパネル、さらに外気温までモニターリングして風力や冷暖房力を細かく調整してくれるクライメートコントロールが全車標準装備など、例え小さくてもM・ベンツの快適性に抜かりはありません。またシートクッションにはヤシの繊維や発砲パッドが採用され、さらにサスペンション特性を考えてチューニングされたコイルスプリングがサポートするなど、まさに「考え抜かれた」作り込み。
いったい、ここまで作り込まれた20万円以下の中古車なんて、ほかにあるでしょうか?次ページでCクラスの魅力を、さらに見ていきましょう。