V12が5.8万kmで144万円! クーペへの逆風恐るべし!?
安全性、快適性、軽量化などが考慮されて選ばれたボディ素材はスチールにアルミニウム、マグネシウム、プラスチック。この4素材が適材適所に配置されています。他種類の素材を結合するには高い技術と手間が必要ですが、最上級クーペだからこそ許される贅沢だと言えるでしょう |
そう聞くと「でも10万kmとかいってるんでしょ?」と思う人もいるでしょう。ところが、なのです。何と5.8万km。正直、私もちょっと驚きました。そこでSクラス(旧型)もそうなのかと調べてみると、最安値はS320(1999年式/10.6万km/修復歴なし)の67.9万円。では、と同じ144万円で探すと145万円ですがS320(2002年式/4.5万km/修復歴なし)が見つかりました。しかしCLはV12、一方のS320はその半分のV6。新車時価格でもS320はCL600の半分以下、800万円です。どれだけCLがお買い得か、もうお分かりでしょう。
ご承知の通り、CLのベース車はSクラスです。最上級セダンを最上級クーペに仕立てたわけです。デビューはSクラスに遅れること約1年の1999年10月。5LのV8を搭載するCL500と、5.8LのV12を積むCL600というラインナップでした。いずれもSクラスのS600L等にしか装備されていなかったアクティブボディコントロールを標準装備としています。
Cピラーのデザインモチーフは1961年の220SEクーペ。またBピラーのないサイドウインドウは、今年登場した現行Eクーペにも受け継がれている、M・ベンツのクーペモデルの伝統です |
ま、最上級クーペですから、こうした最先端技術が投入されるのは当たり前と言えば当たり前、ですよね。それがもうこの値段なのです。さらにもう一つ、とどめを刺しましょう。先の144万円でトヨタクラウンアスリート(旧型)なら何が買えるかというと…走行距離13.2万km(2004年式/修復歴なし)の3.0Gパッケージです(144.9万円)。
というわけで、ゼロクラウンはもちろん、同世代のS320にもないCLの魅力を次ページでさらに見ていきましょう。