よっぽど几帳面に履歴が残された点検整備記録簿付きの中古車以外は、前オーナーのメンテナンス状況は分かりかねるのが正直なところ。そこで私の提案は「購入後に、消耗品であるオイル類を総交換しよう」。理由の一つはそもそもオイルは消耗品であり、定期的な交換が必須だから。もう一つにはコスト的にも時間的にも比較的手軽に行えて、かつそれによって得られる安心感が高いから。
ということで、以下に具体的なオイル(フルード)の種類と役割、交換サイクルや費用の目安(工賃込み)をまとめてみたので参考にしてください。

■エンジンオイル
オイル交換といえば通常エンジンオイルの交換を指すくらい一般的。エンジン内部の潤滑や冷却を行う。一般的に高価なものは性能が高いが、ターボエンジン車など一部の高性能車を除けばそれほど品質に神経質になることはない。ただ、劣化したまま放置するとエンジンをいためる可能性がある。2回に一度はフィルター(エレメントと呼ぶ)も同時交換が推奨されている。
(6ヵ月、または5000kmごと/3000円~1万円程度)

■ATF
オートマチック・トランスミッション・フルードの略で、AT車(CVTは除く)のトルクコンバーター内部に用いられている。「10万kmメンテナンスフリー」を謳うメーカーもあるが、2万km程度で交換するのが良いとされている。劣化するとシフトチェンジ時のショックが大きくなったりする。
(2年、または2万kmごと/5000円~3万円程度)

■ミッションオイル
MT車のミッション内部を潤滑しており、通常はエンジンオイルに比べて粘り気が高いオイルが用いられる。劣化するとミッション内部を傷めるが、エンジンオイルと違って外からは汚れ具合を確認できず、新車時から交換してない、なんてケースであっても判断がつかないので、やはりまずは交換してしまいたい。
(2年、または2万kmごと/3000円~1万円程度)

■デフオイル
正確にはディファレンシャル・ギア・オイルといい、駆動力をタイヤに伝達するためのギア(ディアレンシャル・ギア)内部に用いられる。これも汚れを確認しにくく、どういう状態か分からなければとりあえず交換しておきたい。ただ、FF車はエンジンオイルがこの役割を果たしている場合が多いので、通常はFR車、または4WD車の場合のみ交換が必要。
(2年、または2万kmごと/3000円~1万円程度)

■ブレーキフルード
ブレーキは油圧で作動しているが、この圧力伝達を行う管の内部を満たしている液体がブレーキフルード。劣化すると沸騰しやすくなり、長い下り坂などでブレーキを踏み過ぎた場合などにベーパーロック現象が発生しやすくなる。
(1年ごと/3000円~1万円程度)

■パワステフルード
油圧式パワーステアリングの動力を伝達するフルード。材質的にはATFと同一。常に高圧がかかっているので、結構劣化しているらしい。パワステの利きに影響する場合もあるおで、交換して損はない。
(2年ごと/5000円~1万円程度)

■ラジエター液(LLC)
LLCとはロング・ライフ・クーラントの略で、不凍液とも呼ばれる。ラジエターを循環してエンジンを冷やす冷却水だが、全然交換されていないとドロドロになっている場合もあるし、規定量に達していない場合も多い。目で見て確認しよう。
(2年ごと/3000円~5000円程度)

ちなみに交換作業は、特殊な輸入車などを除けばカー用品店で行うのが最も手軽。もちろんディーラーでも対応してくれるので、クルマの面倒を見てもらう「馴染みの店」を作る最初の機会としても有効に活用しましょう。
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