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100万円以下の大穴ワゴン、アベンシス

日本でステーションワゴンといえばレガシィツーリングワゴン、他にはアコードワゴン、ステージア……といくつか出てくるが、トヨタアベンシスワゴンを知っている人は少ないのでは? 今回はそんな大穴をご紹介。

籠島 康弘

執筆者:籠島 康弘

中古車ガイド

ジャーナリストは賞賛したけど、トヨタユーザーは敬遠した?

トヨタアベンシスワゴン フロント
横すべり防止装置のVSC、トラクションコントロールをはじめ、ニーエアバッグまで標準装備。装備にはまったく手抜きがありません
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回は100万円以下で十分探せるわりに、意外と見逃されているトヨタアベンシスワゴン(絶版)をご紹介したいと思います。トヨタ、といっても生まれも育ちも欧州。作りも走りも他の国産車とはひと味違うのですが、逆にその辺がなかなか従来のトヨタユーザーにうまく響かなかったようで、昨年10月のパリモーターショーで次期モデルが発表されたにも関わらず、日本導入の話はなし。結果的に今回ご紹介するモデルは、残念ながら絶版ということになりました。

登場は2003年10月。欧州でのトヨタ車の、フラッグシップモデルとして開発されました。デザインはトヨタの欧州デザイン拠点であるED(EDスクエア)、生産も英国のTMUK(Toyota Motor Manufacturing (UK)Ltd.)が担当。M・ベンツCクラスやBMW3シリーズといった世界の強豪ひしめく本丸に、日本のトヨタ車が殴り込んだというよりは「トヨタが欧州市場向けに車を作れば、これだけのものが出来る」という証を見せつけたかのようなモデルです。フロント・マクファーソンストラット&リアに新開発のトーコントロールリンク付ダブルウイッシュボーン式を採用した足回りは、欧州各地で走り込むことで、いかにもトヨタ車の若旦那仕様とはまるで違う、ピリッと引き締まったものに仕上げられています。

逆に言えば、これが日本市場の不評の原因の一つになったかもしれません。ディーラーの周りをちょろっと試乗して購入するという日本の新車販売スタイルでは、アベンシスは他のトヨタ車に比べたら「なんか硬いね」のひと言で済まされてしまいがちだからです。本当は、このしっかりさ(硬いとは本来違うんですけどね)は長距離を走る際、いかにドライバーを楽にしてくれるかということは、特にドイツ車オーナーなら分かっていただけると思います。

トヨタアベンシスワゴン リア
オーディオは標準で8スピーカー、デジタル音響処理機能付きです。雨滴感知式フロントオートワイパーやクルーズコントロールを標準装備しているので遠出も快適
もちろん、国内の自動車評論家やメディアはこの車を賞賛しました。「なぜ日本のトヨタ車にもこういう足回りを奢らないのか」というような論調も見受けられたように記憶しています。ちなみに、実際日本と欧州では同じヴィッツでもセッティングが異なるそうです。

このように玄人にはウケるのですが、玄人相手だけで食べていけるほど、自動車産業は甘くはありません。昨年登場した新型はそういった背景で日本導入が見送られたのだと思います。

しかし中古車なら、この「隠れた名車」が未だに手に入る。しかももう、100万円以下で選び放題です。ではアベンシスワゴンの魅力を次ページで見ていきましょう。
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