あの奥村氏も認めた美しいクーペ!?
10年前にデビューしたモデルとはとても思えないほどの美しさ。ちなみにデビュー時は写真のようにエアインテークが小さかったのですが、2003年8月のマイナーチェンジで、最近のプジョー顔に通じる大きな口になりました |
プジョー406クーペは、そもそも値落ちが緩やかなのでなかなか100万円を切りません。また切ったと思えばすぐ売れてしまいます。しかし、これだけでは「100万円を切るまで待ってもいいじゃないか」と思われるかも知れません。
実は今現在、120万円以上で売られているのは、走行距離が3万km前後の中古車ばかり。100万円を切るのは5万km超のものです。しかもこの車のデビューは10年前の98年1月。だとすれば、程度の良い中古車を手に入れるなら今の、この価格帯がラストチャンス!?だから、あえて120万~150万円としたわけです。
デビュー当時、ピニンファリーナが手がけたその美しすぎるスタイルに、私は完全にやられてしまいました。価格は515万円と、そう簡単に誰もが手を出せる価格ではなかったのですが、それでも「フェラーリの半額」だと思えば安い!とすら考えてしまうほどでした。
そういえば、以前読んだ奥山清行氏による『フェラーリと鉄瓶』の中で、同僚の仕事の中で一番美しいと思ったのはこのプジョー406クーペだ、と述べていました。とにかく、スタイルは今もなお、その美しさを保ったまま。まるで黒木瞳さんが幾つになってもキレイであるのと同じ様に。
ベースである406セダンとホイールベースは同じものの、全長はフロントオーバーハングのプラス分60mm延長されて4615mm、全高は55mm低い1365mm。ピニンファリーナの証であるエンブレムはリアのフェンダー横と、助手席ダッシュボードに飾られています |
アクセルを踏むほどにひらひらと舞うかのごとくワインディングを走ることはできますが、どちらかといえばV6 3Lエンジンのトルクに任せて、余裕のある大人がクルージングを楽しむという持ち味が特徴です。そういったグランドツーリングカー的なクーペはいくつかありますが、これほど美しい車はほかにありません。
プジョー406クーペの魅力を次ページでも、まだまだ見ていきましょう。