丸目・空冷ではないがゆえ…
それまでの911は、おおざっぱに言えば先代を改良してリリースしていたようなもの。996は、足回りこそ同じものの、骨格から大きく変えられています。2001年までは3.4Lですが、後期モデルは3.6Lへとアップしています
ポルシェ911といえば、フェラーリと並んで誰もが知っている超人気車。スーパーカーブームど真ん中世代である40代前後の皆さんには、今もなお憧れの一台だと思います。当然中古車も人気は高く、現行モデル(997型)を見てみると中古車の平均価格が1142万円。4年前の2004年に登場した際の新車時価格が997万~1381万円ですから、その人気ぶりがうかがえます。しかし、そんなポルシェ911にも、実は死角があったのです。
これは996型に人気がないことと、993型は人気が今なおあるということが影響しています。996型はティアドロップ型と呼ばれるヘッドライトをしています。スーパーカーブームど真ん中世代の方からしてみれば、ポルシェ911といえばやはり丸目ですよね? いっぽう993型は正当派の丸目(ちなみに997型も丸目)であり、なおかつ、空冷エンジンの最後のモデルなのです。この空冷最後というのも、長年ポルシェを愛した方々に支持されるポイントです。
でも、空冷ってそんなに重要ですか? 今はほぼすべての車が水冷ですよ。また「最新のポルシェが最良のポルシェ」という言葉があります。最新のほうがいろいろといいんです。そもそも、そんな言葉があるのはポルシェだけです。
最新のポルシェは、やっぱり最良のポルシェだ!
平均価格でわずか100万円の差しかない996型と993型。具体的にサンプルを見てみましょう。996型カレラティプトロニックS、358万円。99年式・走行距離5.9万km・車検は2010年6月まで残っています。いっぽうの993型カレラティプトロニックS、356万円。95年式・走行距離5万km・車検残なし。ボディカラーは同じシルバーです。ほぼ同じ値段ですが、年式が4年違い、車検残も異なります。走行距離は996型が約1万km多いだけです。水冷化とともにメンテナンスフリー化も進められ、信頼性は大きくアップ。乗り心地とハンドリング性能も向上しています。このように最新は最良という言葉に嘘偽りはありません。また、それ以外の伝統、例えばリアエンジン・リアドライブや水平対向6気筒という911の伝統は守られています。
それがこの価格という現状。最も安値の996型は340万円を切っています。ほぼ新車時の3分の1という値段です。憧れのポルシェ、今まさに熟れたおいしい買い時です。
おいしい中古車は、意外とあるものです。あなたも探してみててはいかがでしょう。
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