いずれも濃い味。どの「小宇宙」にしますか?

ほとんど乗らずに大切に保管されていたものの中には、1000万円を超えるものすらあるR-32(撮影/桜井健雄)
新車販売の低迷振りとは裏腹に、中古車マーケットでのクーペの人気は衰えることを知りません。流通数が少ないこともありますが、新車時に憧れていた人たちが値段的にこなれてきたタイミングで飛びついているのかもしれません。

さて今回クーペ好きな西川淳さんが選んできたのはR32日産スカイラインGT-R(平成4年式、 2.6GT-R)、トヨタスープラ(平成6年式、3.0SZ)、S15日産シルビア(平成11年式、2.0スペックS)、旧型ホンダインテグラ(平成9年式、1.8タイプR)、FDマツダRX-7(平成5年式、タイプR)の5台です。いずれ劣らぬ「濃い」クルマたち。ただしシルビアだけはこの値段だとターボなし、ATとなるので若干不利(?)ではあります。

懐かしい、この世界観!

実際に運転席に座ってみて驚いたのがRX-7の着座位置の低さ。これに比べたらスープラはもちろん、インテグラなんて完全に実用車です。最近こういったシートポジションのクルマが本当に少なくなりました。座っただけで「やる気」になるクルマです。もちろんロータリーという特殊な内燃機関は一度は味わってみたいもの。最新のRX-8のものと比べるとじゃじゃ馬ぶりが目立ちますが、それもまた魅力。

一方インテグラが有利なのは、シルビア以外のクルマと比べると世代がひとつ新しいこと。内装の質感などを比べると、まだ現役な感じがします。しかし何はさておきインテグラの魅力はエンジン。エンジンのホンダが職人さん動員して組んだエンジンが悪いはずがない。現行のタイプRよりもこの世代のエンジンのほうが刺激的と言う人も多いですね。

スープラはスポーツカーではありません。典型的なアメリカングランドツアラーです。コックピットのような運転席、マッスルな外観、大味だけど迫力ある走り。100万円だとターボなしですが、それでも十分。こういった世界観を持ったクルマも今や新車では見当たらなくなりました。

シルビアはドリフトブームでターボモデルの人気が再燃しており、こちらはまだNAより50万円くらい高値です。しかるに100万円でターボなしオートマのS15を選ぶ価値は、やっぱりスタイルではないでしょうか。特にリアから見るとイタ車の香りが漂うスタイルは、もう少し評価されてもいいんじゃないかと思います。

そしてR32GT-R。程度のいい個体は未だに200万円以上の値が付いていますし、ほとんど乗らずに大切に保管されていたものの中には、1000万円を超えるものすらあります。う~ん、驚きです。もはやクルマではなくGT-Rという乗り物なんですね。100万円で買えるとなると走行距離もそれなりに出ていますし、程度もマチマチです。でもパーツもいまだにたくさん出ているし、安い個体を買って仕上げるのも愛着が湧いていいかもしれません。

今回の5台はいずれ劣らぬ個性の持ち主ですし、それぞれが小宇宙を持っています。しかしR32は別格かな。今の時代に生きるクルマ好きとして、R32に乗っていたということは年とってからの自慢になるし、クルマをきっかけとした仲間もできるでしょう。

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