輸入車/注目の輸入車試乗レポート

「デカフラ」の魅力を考える

日本ではヒットに恵まれない大きなフランス車、デカフラ。でもシトロエンC6がその状況を変えてくれそうな気配がある。いまは売られていないプジョーやルノーのフラッグシップを含めて、その魅力を考えてみた。

森口 将之


昨年10月に発売されたシトロエンC6に乗りながら、気づいたことがある。C6はいま日本で買える最大のフランス車であり、ヨーロッパでEセグメントと呼ばれるこのクラスで唯一のフランス車だということだ。



同じクラスのドイツ車であれば、アウディA6、BMW5シリーズ、メルセデス・ベンツEクラスと3車種もある。フランス車だって、少し前は3ブランド1台ずつ輸入されていた。たとえばシトロエンがXMの時代はプジョー605とルノー・サフランがあったように。



しかしその後登場したプジョー607は売れ行きが思わしくなかったようで販売中止。ルノー・アヴァンタイムにいたっては輸入開始直後に本国で生産終了が発表されてしまった。



日本でフランス車というと、プジョー206に代表されるコンパクトカーが人気で、大きなモデルは日の目が当たらない。それはフランスでも似たような状況なのだが、じゃあ魅力がないのかというと、そんなことはない。デカいフランス車(ここでは勝手に「デカフラ」と呼ぶ)には、小さなモデルにはない、そして他国のクルマでは味わえない、すばらしい世界があると思うのだ。

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