輸入車/注目の輸入車試乗レポート

「デカフラ」の魅力を考える(2ページ目)

日本ではヒットに恵まれない大きなフランス車、デカフラ。でもシトロエンC6がその状況を変えてくれそうな気配がある。いまは売られていないプジョーやルノーのフラッグシップを含めて、その魅力を考えてみた。

執筆者:森口 将之

ガイドはC6発売のひと月前、フランスでひさしぶりに607に乗った。かつての日本仕様とは違う、4気筒エンジン+6速MTのメカニカルサスペンション仕様だったけれど。そしてプライベートカーとしてアヴァンタイムと接している。つまり昨年9月から10月にかけて、3ブランドのトップモデルを乗り比べることができたわけだ。そこで感じたのは、デカフラには共通した世界がある、ということだった。



とにかく長旅がラクなのである。直進安定性はバツグンで、乗り心地はゆったりしていて、シートはカラダをやさしく包み込むよう。それだけではなく、窓の大きな明るいキャビン、シンプルでセンスのいいコーディネイトなども、乗り手をリラックスさせてくれる。



つまり他国のこのクラスのクルマのように、強烈な加速や、きらびやかな室内や、精緻な仕上げや、多彩な電子制御でアピールするのではない。そういったうわべの部分ではなく、人間の心理的な部分にまで入り込んで、真の快適を追求している。そんな気がしたのだ。



残念ながらC6では、まだ長距離を体験したことはないが、607はパリ~レンヌ間約350km、アヴァンタイムでは東京~福井間430kmを、ともに1日で走破した。607はドライバー交代をしたが、アヴァンタイムはひとりで走り切った。でも全然疲れないどころか、心地よささえ覚えた。クルマの好き嫌いによるところも大きいけれど、こんな気持ちになることはめったにない。
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