体感的には、前・中期型のエグザンティア・ブレーク(SOHCエンジン)に近い加速だ。もっとも一度スピードに乗ってしまえば、豊富な中速トルクで不満なく速度を上げてくれる。このへんはシトロエンの伝統どおりだ。それにすばらしい座り心地のシートに身をゆだね、快適な乗り心地を味わっていると、活発に走ろうという気がしなくなってくる。そのためもあってパワー不足を不満に感じないのだ。
乗り心地はセダンよりも良く思えた。普通のクルマとは逆だ。油圧サスペンションのシトロエンは、ブレークだからといって足回りを固める必要はない。一方ボディは後ろ半分が重くなっている。その結果、セダンでは感じられた小刻みな揺れが目立たなくなり、普通の上下動もゆっくり行うようになったようだ。セダンよりもひとまわり大きな(実際大きいのだが)クルマに乗っているフィーリング。いわゆる「ハイドロらしさ」もよりはっきりと感じられた。
ほかに気づいたセダンとの違いは、リアからのロードノイズと排気音が気持ち目立つようになったかな?ということ。とはいっても絶対的には、2リッターのワゴンとしてはどちらも低いレベルに抑えられている。
今回C5ブレークに乗って、C5もいいなあと思い始めている自分に気づいた。最初に乗ったときは固くてフラット感が今ひとつだと思えた乗り心地は、セダンとブレークの差のおかげもあって、今では十分ハイドロらしいと感じられる。通常のタッチになったステアリングやブレーキもそれほど不満に思えなくなった。セダンより15万円アップの331万円という価格が、今まで以上にリーズナブルに感じられるようになってきた。
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