・ボディサイドにはデザイン・ベルトーネのバッチが
驚いたのは、リアの追随性の良さ、いや、面白さだ。前アシはがむしゃらに大地を掴み続け、息する間もなく背後へと蹴り散らかすが、リアはそんなフロントの暴君な振る舞いに臆することなく、精密に行き先をトレースしてくれる。おかしなタイムロスも感じない。どうやらアルファのエンジニアは、156系の足回りの組み合わせから最もスポーティなセットを見つけたらしい。前述した前147+後スポーツワゴン、がそれである。
これならサーキットに持ち込んでも、楽しめそうだ。とにかく、リアは上下動をほとんど感じさせず、かえって前の機敏さが怖くなるくらい。断崖の続くモンテカルロの峠道では、目一杯楽しむ余裕なんてない。ラリードライバーじゃ、ないのだから。
制動力は、合格レベルだ。ガツンと効いたあとのフィールをもう少し自然なものにして欲しいが、止まらない!という恐怖はない。