もうひとつだけ×を挙げておくと、峠道などでスポーツドライビングを楽しむ際、コーナーを立ち上がってちょっとした直線、アクセルを目一杯踏み込んで行くぞ!というシチュエーションで思いがけなく不安感が出る場合があったこと。個体差かもしれないが、地面をしっかり掴むという確たる安心感を感じることができない場合があった。ステアリングフィールの問題かも知れない。
どんな魅力的なクルマでも100点満点とはいかないもの。特にイタリアンカーは欠点を補って余りある魅力に溢れている(これまでは、相当高い欠点ハードルを超えてきたし・・・)。あまり些細なことにこだわらなくていいだろう。
○はどうか。
質感は相当いい。スティロアバルトもなかなか良かったが、改めて見るとアルファの方が断然いい。さすがにプレミアムブランド、である。例えば、5ドアのリアサイドシルにもちゃんと金属製のスカッフプレートが貼られているし、操作系のタッチも、革は言うに及ばずクロスのシート地の感触もなかなか所有欲を満たすものだ。買って良かった、と思わせてくれる演出である。
カードケースやドリンクホルダーなど、これまでのイタリア車には見られなかった快適装備も、邪魔になるものではない。歓迎していいだろう。
何よりも、外からみた質感が非常に高い。ドアノブひとつをとっても冷たい肌さわりの金属製をしっかり使っていて、妥協がない。プレミアムコンパクトとして、アルファファン以外にもオススメしたいクルマだ。
走りはどうか。先に挙げた欠点を除いて、全域アルファロメオであった。特にセレスピードは進化が著しい。156での”苦労”が相当反映され、シフトアップのラグも少なくなってきた。もっとも、完璧になるまでにはまだまだ時間が必要だろう。